[17日 ロイター] - <為替> 緊迫するウクライナ情勢への警戒感から安全通貨とされる円やスイスフラ ンが上昇し、対ドルで一時2週間ぶり高値を付けた。 終盤の取引で、ドル/円は0.5%安の114.93円。一時、今月初旬 以来の安値となる114.845円を付けた。 ドル/スイスフランも一時0.9189フランと、今月3日以来の安値を 付けた。その後は0.2%安の0.92フラン近辺で推移した。 バイデン米大統領は17日、ロシアによるウクライナ侵攻の脅威は「非常に高い」と し、ウクライナ侵攻が「近日中に起こる可能性がある」という考えを示した。ロシア通信 (RIA)によると、ロシアのペスコフ大統領報道官はバイデン大統領の発言が緊張を煽 っていると非難した。 ウクライナ情勢を巡る警戒感から、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めを巡 る懸念は幾分影をひそめている。金融市場では、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC )で50ベーシスポイント(bp)の利上げが実施される確率が37%と、先週の約70 %から低下し、25bpの利上げが最も起こり得るシナリオとみられている。 主要通貨に対するドル指数はほぼ横ばいの95.8090。 リスクに敏感な資源通貨の一角も下落。豪ドル/米ドルは0.1%安の0. 7188米ドル。ノルウェークローネも下落し、ドルは0.4%高の8.915ク ローネとなった。 暗号資産(仮想通貨)のビットコインは6.7%安の4万0996ドル。 NY外為市場: <債券> 利回りが低下した。ウクライナ情勢への懸念から安全資産への逃避買い需 要があったほか、この日発表された米国の経済指標が市場予想を下回ったことが背景。 米国務省の報道官は17日、ロシア政府が在ロシア米大使館のバート・ゴーマン次席 公使を追放したと発表した。 ブリンケン米国務長官は、国連安全保障理事会の会合で演説し、ロシア軍が「数日中 」にウクライナに対する攻撃を開始する用意を整えていることを米当局の情報が示してい ると警告した。 米労働省が17日に発表した今月12日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節 調整済み)は前週比2万3000件増加し、24万8000件となった。市場予想は21 万9000件だった。 米商務省が17日発表した1月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比 4.1%減の163万8000戸と市場予想(170万戸)以上に落ち込んだ。[nL4N2US 3T6] 10年債利回りは7ベーシスポイント(bp)低下の1.974%。 財務省がこの日実施した30年物物価連動国債(TIPS)入札の最 高落札利回りは0.195%。入札前取引より5bp超高く、20年2月以来の高水準だ った。終盤には利回りは0.189%に低下したが、一時は0.213%に上昇する場面 があった。 2・10年債の利回り差は49bpに拡大。14日には38bpまで縮 小していた。 金融市場は、米連邦準備理事会(FRB)が3月に少なくとも25bpの利上げを行 うことを完全に織り込んでいるが、50bpの利上げの確率は37%に低下している。[F EDWATCH] 米金融・債券市場: <株式> 下落して取引を終えた。ウクライナを巡り米国とロシアの関係が緊迫する 中、ディフェンシブセクターや債券・金などの安全資産に資金が向かった。 バイデン米大統領は17日、ロシアによるウクライナ侵攻が「近日中に起こる可能性 がある」とし、侵攻を正当化するため「偽旗作戦」を展開していると指摘した。[nL4N2US 3QZ] これに対しロシアは、バイデン大統領の発言が緊張を煽っていると反発。また、安全 保障に関するロシア側の要求に米国が建設的に対応していないと非難し、「軍事技術によ る措置」を取る可能性を警告した。 情報技術や通信サービスなどグロース(成長)株が下げを主導。 米国債利回り低下を受けて金融も下落した。 米国株式市場: <金先物> ウクライナ情勢を巡る警戒感が強まる中、リスク回避の金買いが膨らみ 、続伸した。4月物の清算値(終値に相当)は前日比30.50ドル(1.63%)高の 1オンス=1902.00ドルと、中心限月ベースで2021年6月初旬以来約8カ月ぶ りの高値となった。 投資家のリスク回避姿勢が安全資産としての金需要を促し、相場は心理的な節目であ る1900ドルを回復した。 前日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月25、26日開催 分)が、金融引き締め政策について想定よりもタカ派トーンを強める内容ではなかったこ とも、金利を生まない資産である金の買いを支える要因となったもよう。 NY貴金属: <米原油先物> 大詰めを迎えたイラン核合意再建交渉が注目される中、売りが優勢 となり反落した。米国産標準油種WTIの中心限月3月物の清算値(終値に相当)は、前 日比1.90ドル(2.03%)安の1バレル=91.76ドル。4月物は1.79ドル 安の90.04ドルだった。 原油相場は、イラン核合意再建交渉の行方とウクライナ情勢をにらんで神経質な商い が続いている。米国務省のプライス報道官は16日の記者会見で、ウィーンで行われてい るイラン核合意再建交渉について、妥結に向けて限られた時間しか残されていないと強調 しつつも、「最終局面の真っただ中にある」と述べた。イランのバゲリ外務次官は「これ までになく合意へと近づいている」と明らかにした。市場では、イラン制裁が解除された 場合の原油供給を警戒し、利益確定の売りが活発化。相場は終日マイナス圏で推移した。 一方で、ウクライナ情勢の悪化懸念が引き続き相場を下支え。市場ではエネルギー供 給に混乱が生じるとの警戒感も根強く、押し目買いも見られた。 NYMEXエネルギー: ドル/円 NY午後4時 114.90/114.93 始値 115.06 高値 115.14 安値 114.86 ユーロ/ドル NY午 1.1358/1.1362 後4時 始値 1.1365 高値 1.1379 安値 1.1352 米東部時間 30年債(指標銘柄) 16時32分 98*30.50 2.2985% 前営業日終値 97*18.00 2.3640% 10年債(指標銘柄) 16時32分 99*05.00 1.9684% 前営業日終値 98*15.00 2.0450% 5年債(指標銘柄) 16時32分 98*11.75 1.8466% 前営業日終値 98*01.00 1.9190% 2年債(指標銘柄) 16時30分 98*27.25 1.4744% 前営業日終値 98*23.88 1.5290% 終値 前日比 % ダウ工業株30種 34312.03 -622.24 -1.78 前営業日終値 34934.27 ナスダック総合 13716.72 -407.38 -2.88 前営業日終値 14124.10 S&P総合500種 4380.26 -94.75 -2.12 前営業日終値 4475.01 COMEX金 4月限 1902.0 +30.5 前営業日終値 1871.5 COMEX銀 3月限 2387.5 +27.0 前営業日終値 2360.5 北海ブレント 4月限 92.97 ‐1.84 前営業日終値 94.81 米WTI先物 3月限 91.76 ‐1.90 前営業日終値 93.66 CRB商品指数 263.6760 ‐1.5852 前営業日終値 265.2612 (
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