(株のリポートを追加しました) [12日 ロイター] - <為替> このところ大きく上昇していたドル指数が下落し、約2週間ぶりの低水準 を付けた。米消費者物価指数(CPI)の発表を翌日に控え、市場は神経質になっている 。 主要6通貨に対するドル指数は終盤の取引で0.4%安の108.31。一時 は8月26日以来の安値を付けた。同指数はFRBが積極的な利上げを継続するとの見方 から、7日の取引で110.79と、約20年ぶりの高値を付けていた。 来週20─21日に連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、連邦準備理事会(FR B)が利上げをどの程度積極的に進めていくのか手がかりを得ようと、13日に発表され る8月のCPI統計が注目されている。 ニューヨーク連銀がこの日発表した8月の調査によると、ガソリン価格が急激な低 下を背景に、米消費者の1年先と3年先のインフレ期待が共に低下。高インフレ期待の定 着を懸念していたFRBにとって好ましい結果となった。 ユーロは、欧州中央銀行(ECB)当局者が一段と積極的な金融引き締めを主張する 中、対ドルで8月17日以来の高値を更新。終盤の取引では0.7%高の1. 0117ドル。 英ポンドは対ドルで0.8%高の1.1681ドル。先週は37年ぶり安値を 付けていた。 ドルは対円で小幅高の142.75円。先週は144.99円と、24年ぶ り高値を付けていた。 豪ドルは0.6%高の0.6883米ドル。 暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.69%安の2万2422.0 0ドル。イーサリアムは2.3%安の1726ドル。 NY外為市場: <債券> 国債利回りが小幅上昇。市場では13日に発表される8月の米CPIに注 目が集まっている。しかしCPIの内容によって、FRBが来週の会合で積極的な利上げ 姿勢を変更する公算は小さいとみられる。 終盤の取引で、指標10年債利回りは4.4ベーシスポイント(bp) 上昇の3.365%、2年債利回りは0.5bp上昇の3.576%。 ロイターが実施したエコノミスト調査によると、8月の米CPIの総合指数は前年比 8.1%上昇と、前月の8.5%から伸びが鈍化すると予想されている。 12日に実施された320億ドルの10年債および410億ドルの3年債の入札は軒 並み低調な内容となった。最高落札利回りは10年債が3.330%、3年債が3.56 4%だった。 フェデラルファンド(FF)金利先物が織り込む来週のFOMCでの0.75%ポイ ント利上げ確率は93%。 2年債と10年債の利回り格差はマイナス21.4bp。 30年債利回りは6.1bp上昇し3.517%。 米金融・債券市場: <株式> 4営業日続伸して取引を終えた。注目される8月米CPIの発表を明日に 控え、この日はエネルギー株とハイテク株が上げを主導した。 主要株価3指数は約2週間ぶりの高値を付けた。グロース株がバリュー株<.IV X>の上昇率をやや上回った。 S&P総合500種の主要11セクターはこの日、全て上昇した。 個別銘柄では、先週に「iPhone14」など新製品を発表したアップル が3.9%値上がりし、S&P500とナスダック総合を押し上げた。[nL4N30E3 MR] 製薬大手ブリストル・マイヤーズ・スクイブは3.1%高。食品医薬品局( FDA)が9日、同社の乾癬治療薬を承認したことを受けた。 乾癬治療薬「オテズラ」を製造するライバル会社アムジェンは4.1%下落 した。 買収撤回を巡り、電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経 営責任者(CEO)と法廷闘争を繰り広げているツイッターは1.8%値下がり した。 マスク氏は、ツイッターが解雇した内部告発者に数百万ドルを支払うという和解決定 に至ったことについて、自身の買収計画撤回に新たな正当性を与えるものだと主張。ツイ ッターは12日、これに関して内部告発者への支払いはマスク氏による買収のいかなる条 件にも違反していないとの見方を示した。 オンライン中古車販売カーバナは15.5%急伸。パイパー・サンドラーが 投資判断を「オーバーウエート」に引き上げたことが好感された。 米国株式市場: <金先物> ECBによる追加利上げの動きに関心が集まる中、対ユーロでのドル 下落などを背景に続伸した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前週末比12. 00ドル(0.69%)高の1オンス=1740.60ドルだった。 ECBは8日の理事会で政策金利を0.75%引き上げることを決定。この日の外国 為替市場ではECBがインフレ抑制を優先して利上げを継続するとの見方から、対ユーロ でドルが下落。ドル建て商品である金の割安感から買いが入った。 NY貴金属: <米原油先物> エネルギーの供給先細りに対する懸念を受けて買いが入り、3営業 日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月10月物の清算値(終値に相当)は、前週 末比0.99ドル(1.14%)高の1バレル=87.78ドル。11月物は1.05ド ル高の87.41ドルだった。 バイデン米政権が高インフレに対応するため、4月に開始した大規模な戦略石油備蓄 (SPR)放出計画により、9日時点のSPR在庫は4億3410万バレルと1984 年 10月以来約38年ぶりの水準に縮小した。 また、欧州連合(EU)はロシア産の原油および石油製品に加え、天然ガスについて も取引価格に上限を設ける方策を検討中。反発するロシアは供給停止を警告しており、需 要の高まる冬に向けて供給の安定が不安視されている。 このほか、英仏独3カ国が10日、イランの核合意再建への意欲を疑問視する声明を 発表。同国産石油の輸出再開が再び見通せない情勢となったことや、ドル安・ユーロ高に よってドル建て商品に割安感が生じたことも追い風となり、10月物は一時89.10ド ルまで上昇した。 NYMEXエネルギー: ドル/円 NY終値 142.83/142.87 始値 142.58 高値 142.87 安値 142.17 ユーロ/ドル NY終 1.0119/1.0122 値 始値 1.0135 高値 1.0162 安値 1.0105 米東部時間 30年債(指標銘柄) 17時05分 90*19.50 3.5094% 前営業日終値 91*17.00 3.4560% 10年債(指標銘柄) 17時05分 94*29.00 3.3577% 前営業日終値 95*06.50 3.3210% 5年債(指標銘柄) 17時02分 98*16.50 3.4528% 前営業日終値 98*17.50 3.4460% 2年債(指標銘柄) 17時05分 99*12.38 3.5756% 前営業日終値 99*12.63 3.5710% 終値 前日比 % ダウ工業株30種 32381.34 +229.63 +0.71 前営業日終値 32151.71 ナスダック総合 12266.41 +154.10 +1.27 前営業日終値 12112.31 S&P総合500種 4110.41 +43.05 +1.06 前営業日終値 4067.36 COMEX金 12月限 1740.6 +12.0 前営業日終値 1728.6 COMEX銀 12月限 1986.0 +109.3 前営業日終値 1876.7 北海ブレント 11月限 94.00 +1.16 前営業日終値 92.84 米WTI先物 10月限 87.78 +0.99 前営業日終値 86.79 CRB商品指数 287.6247 +3.5041 前営業日終値 284.1206 (
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