[25日 ロイター] - <為替> 英ポンドが対ドルで6週間ぶり高値を付けた。英国で25日、スナク新首 相が就任したことを受け、リスク心理が改善した。将来の利上げペースを巡る懸念がくす ぶる中、主要通貨に対するドル指数は3週間ぶり安値に沈んだ。 ポンドは一時9月15日以来の高値を更新。終盤の取引では1.66%高の 1.147ドル。 スナク新首相は経済危機の中で英国をリードし、政治への信頼感を取り戻すと確約。 エネルギー支援策などで生じた約400億ポンドの財政赤字を穴埋めするために、支出削 減策を打ち出すと予想されている。 米連邦準備理事会(FRB)の利上げが米経済を減速させている兆候が示される中、 ドル指数は0.822%安の110.94。 FRBの利上げに伴う住宅ローン金利の高騰で住宅需要が減退する中、米国の一戸建 て住宅価格が8月に前月比で大幅に下落したことが複数の調査で明らかになった。[nL4N3 1Q3OO] 11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.75%ポイントの利上げが実施 されるという見方が優勢。オアンダのシニアマーケットアナリスト、エドワード・モヤ氏 は「米経済指標が今後一層悪化すれば、12月会合での討議は0.50%ポイントもしく は0.75%ポイントの利上げではなく、0.25%ポイントもしくは0.50%ポイン ト利上げとなる可能性がある」と述べた。 今週は 欧州中央銀行(ECB)とカナダ銀行(中央銀行)による利上げが見込まれ ているほか、日銀は金融緩和スタンスを維持する見通し。 ユーロは0.87%高の0.99595ドル。ECBが0.75%ポイン ト利上げに踏み切るという観測から、一時20日ぶりの高値を付ける場面もあった。 ドルは対円で下落し、147.96円近辺で推移。日本政府・日銀が21 日と24日に円買い介入を実施したといううわさが広がっている。 中国人民元は約15年ぶりの安値を付けた。中国人民銀行(中央銀行)が 基準値を2008年2月15日以来の安値水準に設定したことを受けた動き。 オフショア人民元も1ドル=7.375元と、最安値に沈んだ。 NY外為市場: <債券> 住宅価格などの一連の米経済指標が軟調だったことで、FRBが利上げペ ースを鈍化させるとの観測が台頭し、国債利回りが低下した。 この日発表の経済指標では、住宅ローン金利の高騰による住宅需要の減退を反映しS &Pコアロジック・ケース・シラーの全国住宅価格指数(季節調整済み)が8月に前月比 0.9%下落。 コンファレンス・ボード(CB)発表の10月の米消費者信頼感指数は102.5と 、前月の107.8から低下し、市場予想の106.5も下回った。物価上昇のほか、米 経済が来年リセッション(景気後退)に陥るとの懸念が重しになった。 前日に4.291%に上昇していた10年債利回りは4%を若干上回る 水準まで急低下。1日の低下幅(14.5bp)としては3週間ぶりの大きさとなった。 2年債利回りは4.40%を若干下回る水準に低下。先週は4.639% と、15年ぶりの高水準を付けていた。 アクション・エコノミクス(サンフランシスコ)のグローバル債券担当マネジングデ ィレクター、キム・ルパート氏は、一連の経済指標でFRBが利上げペースを減速させる 方法を検討しているとの観測に拍車がかかったと指摘。 一方、インスぺレックスのマネジングディレクター兼シニアトレーダー、デビッド・ ペトロシネリ氏は、インフレ抑制には想定以上の時間がかかり、痛みを伴うと指摘。「景 気が減速したとしてもFRBは利上げを続ける。経済の軟着陸(ソフトランディング)以 上のことが引き起こされる」と述べた。 こうした中、この日は3カ月物財務省短期証券(Tビル)と10年債の利回りが一時 逆転。利回り格差は一時マイナス2.10bpを付けた。ペトロシネリ 氏は、長短利回りの逆転は景気後退(リセッション)の可能性を示す信頼できる指標の一 つとしている。 終盤の取引で、10年債利回りは14.7bp低下の4.085%。2 年債利回りは2.3bp低下の4.475%。2年債と10年債の利回り格差 はマイナス39.2bp。 30年債利回りは13.3bp低下の4.229%。 米金融・債券市場: <株式> 続伸。軟調な経済指標で米連邦準備理事会(FRB)の積極的金融引き締 めが効果を現していることが示された。長期金利の低下も株高の一因となった。 主要株価3指数はいずれも3営業日続伸。大型株が上げを主導した。S&P総合50 0種は12日に付けた終値での年初来安値から約8%回復した。 この日発表された指標は、住宅価格の伸び鈍化や消費者信頼感の低下を示す内容 となった。 S&P主要11セクターはエネルギーを除いて全てが上昇。不動産<.SPL RCR>の上昇率が最大だった。 米国株式市場: <金先物> 対ユーロでのドル安などを背景に買われ、小反発した。中心限月12月 物の清算値(終値に相当)は前日比3.90ドル(0.24%)高の1オンス=1658 .00ドル。 NY貴金属: <米原油先物> 対ユーロでのドル下落や供給不安を背景に買われ、反発した。米国 産標準油種WTI12月物の清算値(終値に相当)は前日比0.74ドル(0.87%) 高の1バレル=85.32ドルだった。1月物は0.72ドル高の84.31ドル。 この日は米長期金利上昇の一服を受けて、対主要通貨でドルが下落。ドル建てで取引 される商品に割安感が生じ、買いが入りやすかった。 サウジアラビアからの報道によると、アブドルアジズ同国エネルギー相は25日、米 国が戦略石油備蓄(SPR)の放出を決定したことを念頭に、「市場を操作するメカニズ ムとして利用している」と批判。また、国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長 が同日、液化天然ガス(LNG)が世界で不足する中、産油国の減産により「初の世界的 なエネルギー危機を迎える」と述べた、とも伝わった。産油国と消費国双方からの発言を 受け、エネルギー需給逼迫(ひっぱく)懸念が強まったことも下値を支えた。 米石油協会(API)が25日に、米エネルギー情報局(EIA)が26日にそれぞ れ公表する週間在庫統計に注目が集まる中、ロイターの事前調査によると、原油在庫が前 週比100万バレルの積み増しとなると予想されている。 NYMEXエネルギー: ドル/円 NY終値 147.91/147.96 始値 148.90 高値 148.99 安値 147.53 ユーロ/ドル NY終 0.9964/0.9968 値 始値 0.9857 高値 0.9976 安値 0.9849 米東部時間 30年債(指標銘柄) 17時05分 78*31.50 4.2499% 前営業日終値 77*13.00 4.3620% 10年債(指標銘柄) 17時05分 89*06.00 4.1000% 前営業日終値 88*06.50 4.2320% 5年債(指標銘柄) 17時05分 99*13.00 4.2592% 前営業日終値 98*31.25 4.3570% 2年債(指標銘柄) 17時05分 99*18.88 4.4728% 前営業日終値 99*17.38 4.4980% 終値 前日比 % ダウ工業株30種 31836.74 +337.12 +1.07 前営業日終値 31499.62 ナスダック総合 11199.12 +246.50 +2.25 前営業日終値 10952.61 S&P総合500種 3859.11 +61.77 +1.63 前営業日終値 3797.34 COMEX金 12月限 1658.0 +3.9 前営業日終値 1654.1 COMEX銀 12月限 1934.9 +16.0 前営業日終値 1918.9 北海ブレント 12月限 93.52 +0.26 前営業日終値 93.26 米WTI先物 12月限 85.32 +0.74 前営業日終値 84.58 CRB商品指数 273.9922 +2.1679 前営業日終値 271.8243 (
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