[ニューヨーク 20日 ロイター] - 米国株式市場は小幅に続落して取引を終えた。米議会下院は20日午後、法人税率の大幅な引き下げなどを柱とする税制改革法案の最終案を再可決し、法案は署名のためトランプ大統領に送られた。
約30年ぶりの大幅な税制改革となる同案には、法人税率を来年1月1日から現行の35%から21%に引き下げることが含まれており、企業の利益を押し上げ、増配や自社株買いに道が開ける可能性がある。
こうした期待感から、S&P総合500種.SPXは11月半ば以降で約4.5%上昇。減税の恩恵を最も受けるとみられる輸送株や銀行株などが特に買われた。
一部の専門家は、株価はすでに税制改革法案の可決を織り込んでいると指摘。今後は税制改革の恩恵を受ける企業が明確になるにつれて株価が動くとみている。
この日はS&Pの主要11セクターのうち、エネルギーなど4セクターが上昇。エネルギー株.SPNYは米原油在庫の予想以上の減少を受けた原油先物の上昇が支援材料となった。
通信株.SPLRCLは0.6%上昇。同セクターは減税の恩恵を最も受けるとの見方もある。AT&TT.Nは1.3%高。
ダウ輸送株20種.DJTは0.9%上昇し、終値ベースで過去最高値。9─11月決算の利益が予想を上回った米宅配大手フェデックスFDX.Nの3.5%急伸が寄与した。
半面、減税の恩恵を最も受けないとみられている情報技術株.SPLRCTは0.1%安。ただ、好決算と堅調な利益見通しが好感された米半導体大手マイクロン・テクノロジーMU.Oは4%高。
主要消費財株.SPLRCSは0.4%安。米フィリップ・モリス・インターナショナルPM.Nの2.5%安が重しとなった。
ロイターは、フィリップ・モリスの元従業員や業者の話として、同社が加熱式たばこIQOS(アイコス)を米食品医薬品局(FDA)に認可申請する際の臨床実験で不正があったと伝えた。
ニューヨーク証券取引所では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を上回り、比率は1.01対1。ナスダックでも1.01対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は61億7000万株。トムソン・ロイターのデータによると、直近20営業日の平均は68億4000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 24726.65 -28.10 -0.11 24838.09 24852.44 24697.11 .DJI
前営業日終値 24754.75
ナスダック総合 6960.96 -2.89 -0.04 6991.26 6991.26 6935.42 .IXIC
前営業日終値 6963.85
S&P総合500種 2679.25 -2.22 -0.08 2688.18 2691.01 2676.11 .SPX
前営業日終値 2681.47
ダウ輸送株20種 10630.45 +94.54 +0.90 .DJT
ダウ公共株15種 728.98 -4.86 -0.66 .DJU
フィラデルフィア半導体 1285.44 +8.92 +0.70 .SOX
VIX指数 9.72 -0.31 -3.09 .VIX
S&P一般消費財 784.76 -1.54 -0.20 .SPLRCD
S&P素材 375.79 +0.18 +0.05 .SPLRCM
S&P工業 636.08 +1.92 +0.30 .SPLRCI
S&P主要消費財 586.70 -2.21 -0.38 .SPLRCS
S&P金融 463.64 -1.14 -0.25 .SPSY
S&P不動産 200.59 -2.19 -1.08 .SPLRCR
S&Pエネルギー 520.38 +7.06 +1.38 .SPNY
S&Pヘルスケア 965.74 -2.74 -0.28 .SPXHC
S&P電気通信サービス 165.29 +0.91 +0.55 .SPLRCL
S&P情報技術 1121.89 -1.04 -0.09 .SPLRCT
S&P公益事業 269.40 -2.12 -0.78 .SPLRCU
NYSE出来高 7.77億株 .AD.N
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 22855 - 5 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物3月限 円建て 22825 - 35 大阪比 <0#NIY:>
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