[ニューヨーク 18日 ロイター] - 米国株式市場は値動きの荒い展開となる中、S&P総合500種とナスダック総合が最高値を更新して取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)当局者からタカ派的な発言があったものの、小売企業やハイテク企業の好決算が注目された。
一方、ダウ工業株30種は下落。ネットワーク機器大手シスコシステムズの下げが重しとなった。
市場では引き続きインフレ動向が焦点となっている。ニューヨーク連銀のウィリアムス総裁は18日、米国ではより広範囲にわたってインフレが発生しており、将来の物価上昇に対する期待が高まっているとの認識を示した。これを受け、株価は序盤に下落していた。
S&Pとナスダックは午前終盤には反発。ナスダックは半導体大手エヌビディアの上昇に押し上げられた。同社株は8.2%高。第3・四半期決算が予想を上回ったほか、第4・四半期の売上高について明るい見通しを示した。
フィラデルフィア半導体指数は1.8%上昇し、最高値を更新した。
小売企業から好調な決算が相次ぎ、S&P主要セクターでは一般消費財が1.5%高と上げを主導した。
百貨店大手メーシーズは通期の業績見通しを上方修正。株価は21.1%高と数十年ぶりの大幅な上昇率を記録した。同業コールズも見通しを引き上げ、株価は10.6%上昇した。今週に入り発表された小売り大手ウォルマートとターゲットの決算も好調だった。
S&P小売指数は2.8%上昇し、最高値を付けた。最高値を更新するのは今週に入り3営業日目となる。小売企業の好決算はインフレが高まる中でも消費者需要が旺盛なことを示し、年末商戦期への期待が広がった。
ハーベスト・ボラティリティー・マネジメントのリサーチ・トレーディング部門責任者、マイク・ジグモント氏は「消費が予想以上に好調なのは国全体にとって朗報だ。消費が強まっているということは、力強い景気回復を反映している」と語った。
ただ今週の市場には、インフレ圧力のさらなる高まりやFRBの利上げ見通しを巡る不透明感への懸念が漂っている。
スパイダーロック・アドバイザーズのエリック・メッツ最高投資責任者(CIO)は「市場が買われ過ぎの領域に入ったことは間違いなく、次の上昇に向けては慎重になることが重要だ」と指摘した。
シスコは5.5%下落。サプライチェーン問題で今四半期の売上高見通しが市場予想を下回った。
クレジットカード大手ビザは0.8%下落し、2月3日以来の安値を付けた。アマゾン・ドット・コムが、英国で発行されたビザのクレジットカード受け入れを来年から停止すると発表したことを受け、前日に続き売られた。
米取引所の合算出来高は110億9000万株。直近20営業日の平均は111億4000万株。
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終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 35870.95 -60.10 -0.17 35901.69 35952.63 35654.39
前営業日終値 35931.05
ナスダック総合 15993.71 +72.14 +0.45 15973.40 16010.88 15848.83
前営業日終値 15921.57
S&P総合500種 4704.54 +15.87 +0.34 4700.72 4708.80 4672.78
前営業日終値 4688.67
ダウ輸送株20種 16496.69 -53.32 -0.32
ダウ公共株15種 908.40 -3.94 -0.43
フィラデルフィア半導体 3899.96 +68.52 +1.79
VIX指数 17.59 +0.48 +2.81
S&P一般消費財 1667.62 +24.48 +1.49
S&P素材 554.93 -2.45 -0.44
S&P工業 897.01 -2.41 -0.27
S&P主要消費財 752.34 -2.70 -0.36
S&P金融 655.11 -3.14 -0.48
S&P不動産 302.65 +0.09 +0.03
S&Pエネルギー 428.66 -2.31 -0.54
S&Pヘルスケア 1557.78 +0.91 +0.06
S&P通信サービス 275.72 -0.59 -0.21
S&P情報技術 2982.98 +30.16 +1.02
S&P公益事業 338.66 -1.82 -0.54
NYSE出来高 9.12億株
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 29625 + 55 大阪比
シカゴ日経先物12月限 円建て 29610 + 40 大阪比
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