[1日 ロイター] - 米国株式市場は続落し、主要株価指数が1%超下げて取引を終えた。新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の感染者が米国内で初めて確認されたことで不安が広がったほか、インフレ高進を巡るパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を消化する中、午前の高値から押し戻されて引けた。
S&P総合500種は午前中に一時1.9%高まで買われたが、午後にはダウ工業株30種、ナスダック総合とともに下落に転じた。
米疾病対策センター(CDC)はこの日、国内で初めてオミクロン株の感染者が確認されたと発表した。11月22日に南アフリカから帰国した人で、カリフォルニア州で確認されたという。
FRBのパウエル議長は下院金融サービス委員会で行った証言で、政策当局者はインフレが来年後半に想定通りに鈍化しない場合に対応する準備をしておく必要があると述べた。
議長は前日、12月の政策会合で債券買い入れプログラムの縮小加速を検討する考えを示唆し、株価が下落していた。
インディペンデント・アドバイザー・アライアンスの最高投資責任者、クリス・ザッカレッリ氏は「市場はオミクロン株と予想よりタカ派的なパウエル議長という2つの懸念材料に直面している」と語った。
ダウ終値は2020年7月13日以来の200日移動平均線割れとなった。S&Pは10月13日、ナスダックは10月14日以降初めて50日線を下回る水準で取引を終えた。
業種別ではS&Pの主要11部門のうち、ディフェンシブセクターの公益事業を除く全部門が下落した。
投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)は14.5ポイント上昇の31.12で終了。一時は32.61まで上昇し、2月以来の高水準を記録した。
小型株で構成され、景気に敏感なラッセル2000指数は2.3%安。午前の取引では一時2.5%上昇していた。
ニューヨーク・ライフ・インベストメンツのエコノミスト、ローレン・グッドウィン氏は、投資家がオミクロン株に関する情報不足やFRB議長の発言などの不透明感を消化する中で、ボラティリティーが見られるのは意外ではないと指摘した。
一方で、この日発表された好調な経済指標について、経済や企業の状況が非常に力強いことを改めて示したと述べた。
米供給管理協会(ISM)が発表した11月の製造業景気指数は、旺盛な需要を背景に前月から上昇した。
個別銘柄では、顧客管理ソフトウエア大手のセールスフォース・ドットコムが11.7%急落。他社との激しい競争に直面する中、今四半期の利益見通しが市場予想を下回った。
ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.26対1の比率で上回った。ナスダックでも2.96対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は142億株。直近20営業日の平均は113億株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 34022.04 -461.68 -1.34 34678.94 35004.64 34006.98
前営業日終値 34483.72
ナスダック総合 15254.05 -283.64 -1.83 15752.27 15816.82 15243.93
前営業日終値 15537.69
S&P総合500種 4513.04 -53.96 -1.18 4602.82 4652.94 4510.27
前営業日終値 4567.00
ダウ輸送株20種 15493.55 -349.60 -2.21
ダウ公共株15種 892.49 -1.07 -0.12
フィラデルフィア半導体 3810.75 -22.47 -0.59
VIX指数 31.12 +3.93 +14.45
S&P一般消費財 1585.73 -30.10 -1.86
S&P素材 524.88 -5.80 -1.09
S&P工業 838.38 -12.16 -1.43
S&P主要消費財 728.73 -3.03 -0.41
S&P金融 623.42 -6.95 -1.10
S&P不動産 291.97 -3.97 -1.34
S&Pエネルギー 406.82 -3.88 -0.94
S&Pヘルスケア 1507.59 -2.86 -0.19
S&P通信サービス 255.73 -5.17 -1.98
S&P情報技術 2919.71 -37.14 -1.26
S&P公益事業 333.13 +0.54 +0.16
NYSE出来高 12.29億株
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 27430 - 750 大阪比
シカゴ日経先物12月限 円建て 27420 - 760 大阪比
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」