[19日 ロイター] - 米国株式市場はナスダック総合主導で4営業日続落して取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めがリセッション(景気後退)を招くとの懸念からリスク回避が続いた。
主要株価3指数はFRBが利上げしタカ派的な姿勢を示した先週14日の連邦公開市場委員会(FOMC)以降、圧迫されている。パウエルFRB議長は景気減速の兆候が見られているにもかかわらず、インフレ抑制に向けた利上げを継続する意向を表明した。
3指数はいずれも12月に大きく値下がりしており、年間で2008年の金融危機以降最大の下げを記録する見通しだ。
アライのシニア市場ストラテジスト、ブライアン・オバービー氏は、景気後退懸念で株式から資金がシフトする中、米国債利回りが上昇したことに言及。「投資家はFRBが依然として積極的な姿勢を示す中で債券市場でこれほど良い利回りが得られるのにあえてリスクを取ることはないと考えている」と指摘した。
また、金融情報会社コンティゴのメリッサ・ブラウン氏は19日に主要な企業決算や経済指標の発表がなかったことから投資家の関心が景気懸念と金利に集中したと話した。
S&P主要11セクターでは通信サービスが2.2%安、一般消費財が1.7%安、情報技術が1.4%安と下げがきつかった。一方、エネルギーは0.13%高で上昇した唯一のセクターだった。
個別銘柄ではアップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コムなど大型株の下げが目立ち、市場の重しとなった。
電気自動車(EV)大手テスラは値動きが荒く、0.24%安で終了した。一時2.8%下落する場面もあった。同社の最高経営責任者(CEO)を務める米実業家イーロン・マスク氏が、買収したツイッターのトップを辞任すべきかを同ソーシャルメディア上で質問した結果、57.5%が賛成と答え、反対の42.5%を上回った。
メタ・プラットフォームズは4.1%下落。欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会がメタに対して独占禁止法に違反していると警告。EUの規則に違反する十分な証拠があれば、メタの世界での年間売上高の10%を上限とする罰金を科す可能性もあると明らかにしたことが嫌気された。
防衛企業L3ハリス・テクノロジーズは3.6%安。ロケットエンジンメーカーのエアロジェット・ロケットダイン・ホールディングスを現金47億ドルで買収すると発表した。エアロジェットは1.3%上昇した。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.80対1の比率で上回った。ナスダックでも2.63対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は110億7000万株。直近20営業日の平均は115億9000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 32757.54 -162.92 -0.49 32921.45 33038.9 32581.97
4
前営業日終値 32920.46
ナスダック総合 10546.03 -159.38 -1.49 10707.44 10713.9 10497.55
7
前営業日終値 10705.41
S&P総合500種 3817.66 -34.70 -0.90 3853.79 3854.86 3800.04
前営業日終値 3852.36
ダウ輸送株20種 13566.23 -171.81 -1.25
ダウ公共株15種 959.70 -3.54 -0.37
フィラデルフィア半導体 2599.86 -36.24 -1.37
VIX指数 22.42 -0.20 -0.88
S&P一般消費財 1023.14 -17.26 -1.66
S&P素材 489.24 -6.64 -1.34
S&P工業 822.28 -4.26 -0.52
S&P主要消費財 777.78 -0.32 -0.04
S&P金融 556.76 -1.29 -0.23
S&P不動産 231.20 -2.62 -1.12
S&Pエネルギー 641.14 +0.86 +0.13
S&Pヘルスケア 1570.16 -5.68 -0.36
S&P通信サービス 156.64 -3.50 -2.18
S&P情報技術 2189.50 -31.43 -1.42
S&P公益事業 354.29 -1.47 -0.41
NYSE出来高 9.93億株
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 27195 - 25 大阪比
シカゴ日経先物3月限 円建て 27170 - 50 大阪比
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