[4日 ロイター] - 米国株式市場は続落して取引を終えた。米カリフォルニア州を地盤とする銀行持ち株会社パックウエスト・バンコープが戦略的選択肢を模索していると明らかにしたことで、金融機関の健全性への懸念が深まった。
パックウエストは51%安。複数のパートナー・投資家候補とあらゆる選択肢の検討を続けており、協議は進行中だとした。
このほかの地域金融機関の株価も売り込まれた。
米地銀ウエスタン・アライアンス・バンコープは一時60%超急落し、何度も取引停止となった。終値は39%安だった。ウエスタン・アライアンスは身売りを検討しているとの報道を否定した。
コメリカ、ザイオンズ・バンコープはともに約12%下落した。KBW地域銀行指数は3.5%下落。一時は約7%下落する場面があった。
カナダのトロント・ドミニオン銀行(TD)は4日、米地銀ファースト・ホライズン銀行の買収を中止すると発表。ファースト・ホライズンは33%下落した。
TIFFインベストメント・マネジメントのマネジングディレクター、ゼー・シェン氏は「地銀問題や信用の引き締めが市場の重しになっている。信用サイクルや銀行の融資基準について、投資家が現在の状況を把握し、いつ不況に陥る可能性があるのかを再確認しようとしているためだ」と述べた。
投資家の不安心理の度合いを示すボラティリティー・インデックス(VIX)は21ポイントまで上昇し、3月下旬以来の高水準となった。
S&P500の主要11セクターでは、9指数が下落した。金融は1.29%下落し、通信サービスは1.26%下落し、全体の下げをけん引した。
米取引所の合算出来高は120億株。直近20営業日の平均は105億株。
米大手銀行では、JPモルガンが1.4%安、ウェルズ・ファーゴは4.25%安などとなった。
アップルは1%下落した。
米半導体大手クアルコムは5.5%下落。第3・四半期(4─6月)の業績についてさえない見通しを発表した。
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