[27日 ロイター] - 米国株式市場は総じて下落して取引を終えた。S&P総合500種が2020年11月以来約2年ぶりの安値を更新し、一段と弱気相場が深まる展開となった。米連邦準備理事会(FRB)当局者らが、景気を悪化させるリスクを冒しても、インフレを抑制するためにさらなる利上げを実施する決意を表明したことが背景。
S&Pは1月3日に付けた過去最高値から約24%下落している。過去6営業日続落し、20年2月以来最長の下げを記録した。
セントルイス地区連銀のブラード総裁は27日、FRBの速いペースでの利上げによって景気後退(リセッション)のリスクが高まったものの、依然底堅く推移する米経済の崩壊ではなく、外部の衝撃による公算が大きいという認識を示し、追加利上げの正当性を主張した。
また、シカゴ連銀のエバンズ総裁は年内に少なくとも、さらに1%ポイントの利上げが必要との見解を示した。
ダコタ・ウェルスのシニアポートフォリオマネジャー、ロバート・パブリク氏は「失望したが、驚きではない。市場は政策金利の方向性や経済の健全性に懸念を抱いている」と語った。
S&P主要11セクターでは7セクターが下落。公益事業と主要消費財が共に約1.7%安となり下げを主導した。
エネルギーは1.2%上昇。ロシアと欧州を結ぶ天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」と「ノルドストリーム2」で発見されたガス漏れで、破壊工作の可能性についてスウェーデンが調査を開始した。
物価上昇や景気悪化により企業の業績が打撃を受けるとの懸念も、過去2週間にわたり市場の重しになってきた。
アナリストはS&P500採用企業の第3、第4四半期および通年の利益見通しを下方修正している。リフィニティブのデータによると、第3・四半期1株利益は前年比4.6%増加する見通し。7月初めの予想は11.1%増だった。
電気自動車(EV)大手・テスラは2.5%、半導体大手エヌビディアは1.5%、それぞれ上昇。両社の上げに支援され、ナスダック総合はプラス圏で取引を終えた。
テスラ株の出来高は170億ドル超と取引銘柄の中で最高となった。
米取引所の合算出来高は117億株。直近20営業日の平均は113億株。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.25対1の比率で上回った。ナスダックでは1.03対1で値上がり銘柄数が多かった。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 29134.99 -125.82 -0.43 29419.88 29659.12 28958.22
前営業日終値 29260.81
ナスダック総合 10829.50 +26.58 +0.25 10955.29 11040.99 10741.02
前営業日終値 10802.92
S&P総合500種 3647.29 -7.75 -0.21 3686.44 3717.53 3623.29
前営業日終値 3655.04
ダウ輸送株20種 12153.35 +153.95 +1.28
ダウ公共株15種 934.23 -19.25 -2.02
フィラデルフィア半導体 2398.04 +24.58 +1.04
VIX指数 32.60 +0.34 +1.05
S&P一般消費財 1150.92 +3.35 +0.29
S&P素材 424.79 +0.96 +0.23
S&P工業 707.27 -2.19 -0.31
S&P主要消費財 711.81 -12.74 -1.76
S&P金融 506.70 -1.51 -0.30
S&P不動産 226.10 -2.94 -1.28
S&Pエネルギー 534.79 +6.15 +1.16
S&Pヘルスケア 1413.68 -3.04 -0.21
S&P通信サービス 163.71 -1.18 -0.72
S&P情報技術 2161.00 +4.73 +0.22
S&P公益事業 349.75 -6.06 -1.70
NYSE出来高 10.75億株
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 26195 - 125 大阪比
シカゴ日経先物12月限 円建て 26185 - 135 大阪比
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