March 30, 2018 / 11:52 PM / 24 days ago

コラム:NY連銀次期総裁選び、Wファーゴ事件で異議は筋違い

Richard Beales

 3月27日、ニューヨーク連銀は次期総裁の目星を付けつつある。写真は米銀大手ウェルズ・ファーゴのロゴ。ニューヨーク証券取引所で2016年撮影(2018年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 27日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ニューヨーク連銀は次期総裁の目星を付けつつある。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、最有力候補となっているのはサンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁だ。

ウィリアムズ氏は多くの面で、今年半ばにニューヨーク連銀を去るダドリー総裁の後釜にふさわしい。1994年に米連邦準備理事会(FRB)でのキャリアが始まったウィリアムズ氏はマクロ経済の専門家。2011年以降はサンフランシスコ地区連銀総裁として、FRBの思考様式だけでなく米国全体、さらには国際的な立場での考え方にも精通している。またウィリアムズ氏は、ジャネット・イエレン氏のサンフランシスコ連銀総裁時代とFRB理事・議長時代の両方でともに仕事に携わってきた。

その意味でウィリアムズ氏は、やはり12年から理事を務めてきたパウエル議長の下に集う従来からの金融政策のやり方を引き継ぐメンバーの一員となる。一方、ウィリアムズ氏は前例にとらわれない形でいくつかの疑問も投げ掛けている。例えばFRBが物価目標で具体的にどういった手法を採用すべきか、あるいは伝統的な金融政策手段の効果などに関する問題だ。

ただFRBには金融機関を規制する役割もあり、これが民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員の批判を招く原因になっている。ウォーレン氏が問題視するのは、サンフランシスコに拠点を置く米銀大手ウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)(WFC.N)が、ウィリアムズ氏の監督下で営業不正事件を起こしたという事実だ。ニューヨーク連銀総裁となれば、大半の大手銀行と適切な関係を保つことが求められる。

もっとも地区連銀が何らかの形で関与するとしても、銀行監督はあくまでFRB本部が主体的に担う。

だからサンフランシスコ地区連銀に落ち度がないと言うつもりはない。それでもウォーレン氏でさえ、07年にFRBは消費者保護ではなく、金融安定に軸足を置く傾向があると指摘している。同氏のこうした意見に端を発し、その後消費者金融保護局(CFPB)が創設されて、Wファーゴに制裁金処分を科す事態になった。

もしウィリアムズ氏のニューヨーク連銀総裁就任に反対するなら、もっと説得力のある根拠がある。それは同氏が、性別や人種、背景など考えられる限りのどんな要素を挙げても多様性からは最も遠い候補ということだ。能力面など数々の資格要件を満たしているにもかかわらず、この点は残念と言うしかない。

もっと現実的な話をすると、ウィリアムズ氏には金融市場に関する仕事に就いた経歴だけは欠けている。とはいえ、金融業界との距離が近過ぎてもまた批判を集めかねない。銀行代表を除いたニューヨーク連銀の次期総裁選定委員会が得られる教訓は、すべての人を満足させられる候補者など存在しないということかもしれない。

●背景となるニュース

・26日の米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、エリザベス・ウォーレン上院議員は、サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁を次期ニューヨーク連銀総裁として承認する前に、上院銀行住宅都市委員会で証言させるべきだと述べた。

・WSJの報道によると、ウィリアムズ氏は次期ニューヨーク連銀総裁の最有力候補。ニューヨーク連銀理事会は、ウィリアムズ氏を次期総裁に推薦したという。

・ウォーレン氏は、サンフランシスコに拠点を置くWファーゴの営業不正事件を踏まえ、ウィリアムズ氏がニューヨーク連銀総裁として適切かどうか疑わしいとの考えを示した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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