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NY市場サマリー(9日)
2017年3月9日 / 22:36 / 8ヶ月後

NY市場サマリー(9日)

[9日 ロイター] - <為替> ドルがユーロに対して下落した。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が極端な金融緩和を通じて市場を支援する必要性は低下しているとの見解を示したことを受け、ユーロが買われた。

ドラギ総裁は、ECBは今回の声明で、成長とインフレを促進するため利用可能なあらゆる措置を利用するとの文言を「緊急性がもはや存在しない」との理由で削除したと説明。ECBは来年のユーロ圏のインフレと成長の見通しを上方修正した。

ドラギ総裁の発言を受けてユーロ/ドルEUR=は一時1.06ドルを突破。主要6通貨に対するドル指数.DXYは一時、101.700まで下げた。ドル/円JPY=は0.55%高の114.95円で推移している。

シティグループ(ロンドン)の欧州G10FX戦略部門を率いるリチャード・コチノス氏は「ECBはユーロ圏の2018年のインフレと成長の見通しを引き上げ、(ドラギ総裁は)リスクは依然として成長を下振れさせる方向に傾いてはいるものの、和らいだとの見方を示した」と指摘。こうしたECBの動きを「市場が(ユーロ相場にとって)多少ポジティブな要因として受け止めたことは明らかだ」と述べた。

オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)などが前日に発表した2月の全米雇用報告では民間部門の雇用者数が29万8000人増加。また米連邦準備理事会(FRB)当局者からはタカ派的な発言が相次いでいる。こうした中、市場が織り込む利上げの確率は今週、90%を超えた。

一方、資源国通貨とされるカナダドル、豪ドル、ニュージーランドドル、ノルウェークローネは原油相場の下落を嫌気して軒並み値下がりした。

LMAXのアナリストチームはカナダドルが売られた要因として、米国の利上げ観測と原油安に加え、カナダ銀行(中央銀行)が同国経済の見通しに懸念を表明したことを挙げた。

<債券> 米利上げ観測が高まるなか長期債利回りが約11週ぶり、短期債利回りは約7年半ぶりの水準に上昇した。

このところの雇用者数の増加や賃金の上昇を受け、FRBが来週14─15日のFOMCで利上げに踏み切るとの観測が強まっている。

バーデン・ヴュルテンベルク州立銀行(ニューヨーク)のバイスプレジデント、カール・ハーリング氏は、利上げ観測はかなり高まっているとし、10日発表の2月の米雇用統計が著しく軟調で、1月の数字が大幅に下方修正されない限り利上げは先送りされることはないと述べた。

CMEフェドウオッチによると、金利先物は来週の会合での25ベーシスポイント(bp)の利上げを91%の確率で織り込んでいる。

10年債US10YT=RR利回りは一時は2.607%と、昨年12月16日以来の水準に、金利動向に敏感に反応するとされる2年債US2YT=RR利回りは一時2009年8月以来の高水準となるは1.379%を付けた。

ECBは予想通り主要金利と資産買い入れ策を据え置いたものの、ドラギ総裁は理事会後の記者会見でユーロ経済の回復に対する認識を示し、将来的に支援縮小が正当化される可能性が示された。

マニュライフ・アセット・マネジメント(ボストン)のシニア債券トレーダー、マイク・ロリツィオ氏は「ドラギ総裁のこれまでの慎重な論調に変化があった。全般的に、従来よりハト派的な度合いは低下したように見える」と指摘。こうした中、欧州市場では独連邦債が売られ、売りは米国債にも広まった。

米財務省が実施した30年債リオープン(銘柄統合)入札は、最高落札利回りが3.170%と、2014年9月以来の高水準となった。応札倍率は2.34倍で、2016年12月以来の高水準。

<株式> 小幅高。2月雇用統計の発表を控える中、終盤にかけてエネルギー株が買い戻され、持ち直した。

朝方発表された週間失業保険申請件数は、市場予想を上回る増加だったものの、節目の30万件は105週連続で下回った。労働市場の堅調ぶりが浮き彫りになり、米早期利上げ観測が強まり、金融株が買われた。

ただ金融株は午後に入ると上げ幅が縮小。S&P金融株指数.SPSYは0.3%高で終わった。

半面、原油安を嫌って売りが先行したエネルギー株は終盤に買い戻され、主要株価指数が持ち直す要因となった。

個別銘柄では、医薬品・健康関連用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)(JNJ.N)が1.5%上昇。証券会社による株価目標引き上げが好感された。

アップル(AAPL.O)は0.2%安。次世代機「iPhone(アイフォーン)8」の出荷が遅れるとの懸念が重しになった。

<金先物> 8営業日続落。米利上げ観測が高まる中で、4月物の清算値は中心限月ベースで1月30日以 来、約1カ月半ぶりの安値となった。

14─15日の米FOMCでの利上げがほぼ確 実視されている上、今後の利上げペースが加速するとの観測も浮上する中、金利を 生まない資産の金はこの日も売り基調が続いた。市場関係者の間からは、金相場は目先1 200ドルを割り込む可能性を指摘する声も上がっている。

ただこの日は、ドラギECB総裁が会見で、ユーロ圏経済の先行 きに楽観的な見方を示したことなどから、対ユーロでドル安が進行。このため、ドル建て で取引される金塊などの商品の割安感につながり、1200ドルの心理的な節目に近づく と下げ渋る展開となった。また、翌10日の米雇用統計の内容を見極めたいとの思惑から、 様子見ムードも広がったもようだ。

<米原油先物>  続落。米国内の過剰在庫懸念やシェールオイル増産計画に対する警戒感などを背景とした売りが続き、WTI4月物の清算値は1.99% 安の1バレル=49.28ドルと、中心限月ベースで昨年11月29日(45.23ドル) 以来約3カ月半ぶりの安値となった。

米エネルギー情報局(EIA)が前日公表した週間米原油在庫は9週連 続で増加し過去最高を更新。加えて、米国内のシェールオイル生産各社による増産計 画が今週ヒューストンで開かれたエネルギー業界会合で明らかになり、過剰供給が長期化 するのではないかとの警戒感も台頭。相場は安値圏で買い戻しが入る場面もあったものの、 ほぼ終日にわたって50ドルを下回る水準で推移した。

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