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NZ中銀、0.25%利上げし政策金利5.5%に 打ち止め示唆

[ウェリントン 24日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は24日、政策金利のオフィシャル・キャッシュレート(OCR)を25ベーシスポイント(bp)引き上げて5.5%とした。この水準が政策金利の最終到達水準との予想を据え置き、利上げ打ち止めを示唆した。

ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は24日、政策金利のオフィシャル・キャッシュレート(OCR)を25ベーシスポイント(bp)引き上げて5.5%とした。写真は同中銀の外観、2017年7月撮影(2023年 ロイター/David Gray)

ロイターが実施したエコノミスト調査では、25人中21人が25bpの利上げを予想していた。

利上げは2021年10月以降12会合連続。政策金利は14年余りぶりの高水準となった。

NZ中銀は、インフレを抑制するためOCRが導入された1999年以降で最も積極的な利上げを実施してきた。インフレ率は昨年の30年ぶり高水準から減速し、第1・四半期は6.7%。中銀の目標レンジ(1─3%)に2年以内に到達すると予想されている。

中銀は声明で、政策金利が現水準の5.5%でピークを迎え、24年半ばまで同水準にとどまると予想。「消費者物価上昇率が1─3%の目標範囲に確実に戻るようにし、持続可能な最大雇用を支援するため、OCRは当面制約的水準にとどまる必要がある」とした。

ウエストパックの新戦略責任者イムレ・スパイザー氏は、「OCR予想の据え置きは大きなサプライズだった」と述べ、声明は利上げ終了を示唆しており非常にハト派的と指摘した。

議事要旨によると、金融政策委員会は金利据え置きも検討。7人の委員のうち5人が利上げを支持した。

第2・四半期と第3・四半期がマイナス成長になると予想し定義上のリセッション(景気後退)を見込んだ。

世界経済成長の鈍化で輸出品の需要が減退していると指摘。住宅関連の経済活動や支出に利上げの影響が最も顕著に見られるとの認識を示した。

オア中銀総裁は記者会見で、金利上昇がすでに望ましい効果をもたらしている兆候があるとの認識を示した。

予想より弱い国内総生産(GDP)やインフレ率の低下に加え、国内経済の金利に敏感な部分の減速を示唆する指標など、期待していたことが既に一部実現したのは非常に喜ばしいと述べた。

中銀は第2・四半期と第3・四半期が連続でマイナス成長になるが、浅いリセッション(景気後退)とどまり、消費の鈍化によりインフレが抑制されると予想している。

政策金利予想の据え置きを受けてNZドルは1.25%下落し、3週間ぶりの安値となる1NZドル=0.6168米ドルを付けた。2年物スワップ金利は5.1970%と、この日付けた14年ぶりの高水準である5.5750%から低下した。

一部のエコノミストは過去最多の移民や政府予算がインフレに及ぼす影響を理由に、中銀の見通しには引き続き上振れリスクがあると指摘する。

ウェストパック・ニュージーランドのチーフエコノミスト、ケリー・エクホルド氏はメモで、移民の増加は反転し住宅市場やインフレ圧力に影響しないという中銀の予想が主要なリスク要因と分析した。

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