[ロンドン 17日 ロイター] 世界有数のコレクションを誇る英ロンドンのナショナル・ギャラリーで、肌を露出させた売春婦が立つアムステルダムの赤線地区を再現したインスタレーション(空間構成)の展示が始まった。
同美術館でこのような作品の展示が行われることは珍しく、昨年に計画が発表された時には、同美術館が現代アートに「身売りする」のかと問う声が美術評論家などから挙がった。
報道機関向けに公開された17日には、学芸員のコリン・ウィギン氏が、同美術館の常設展に含まれる17世紀のオランダ絵画と共通点もあると説明。同美術館のディレクターも「展示は非常に真面目なもので、売春を美化してはいない」と話した。
「The Hoerengracht」と題されたこの作品は、米アーティストの故エド・キーンホルツさんとナンシーさんの夫妻が1983年から約5年かけて制作したもの。2人は写真を撮ったり素材を集めるために「数え切れないほど」アムステルダムの赤線地区を訪問したという。