[シドニー 18日 ロイター] シドニーの王立植物園でハイガシラオオコウモリが約2万2000匹に増えて希少な木々を脅かす存在となったことから、オーストラリアの裁判所は政府に対し、大きな音を使ってコウモリを駆除する許可を出した。
動物保護団体は、政府から絶滅危惧種に指定されているハイガシラオオコウモリにとっては、同植物園が必要不可欠なねぐらだと主張。追い出されても行くところは市街地以外にないとしている。
コウモリの駆除に反対していた保護団体「Bat Advocacy NSW」のシュトルム・スタンフォード氏は、雄のコウモリはねぐらに強い愛着を持っており、追い出されることは過度のストレスになるだろうと話し、何度追い出しても戻ってくる可能性があるとの考えを示した。
一方で植物園側は、コウモリのせいで過去20年に園内の数十本の木々が枯れており、数百本が今も危機にさらされているため、一刻の猶予も許されないとしている。