[ベルリン 20日 ロイター] ドイツのベルリンに住む88歳のディミトリー・シュタインさんが、65年遅れで大学から博士号の学位を受け取った。シュタインさんは1943年、ユダヤ系だという理由で、最終試験直前にナチスによって大学を退学させられていた。
ベルリン工科大学の学長が、今月に入って口答試験に合格していたシュタインさんに対し、個人的に電気工学の博士号を授与したという。
同大学のスポークスマンは「戦後、シュタイン氏は工科大学に再試験が可能か聞いていたが、断られていた」とした上で、「(ことし)8月にこの恥ずべき出来事を聞いた後、学部の管理部門は、今受験を許可することが、この不当な処置を埋め合わせる唯一の方法だと決定した」と述べた。
シュタインさんは教授の助けを借りてユダヤ人虐殺から逃れ、1947年に米国に移住していた。