[ロンドン 11日 ロイター] 英投資銀行バークレイズ・キャピタルは、高層ビルの建設と金融危機の発生には「不健全な相関関係」があるとの報告書を発表した。
同報告書は、ニューヨークのエンパイアステートビル建設(1930年)のほか、クアラルンプールのペトロナス・ツインタワー建設(1997年)、ドバイのブルジュ・ハリファ建設(2010年)では、いずれも後に経済危機が訪れたと指摘。ペトロナス・ツインタワー建設後には、アジア通貨危機が起きている。
また、世界初の高層ビルとなるエクイタブル生命ビルがニューヨークで建設された1873年は、米国を襲った不況の時期と重なるという。同ビルは1912年に解体された。
他にも、米イリノイ州シカゴにある110階建てオフィスビル「ウィリス・タワー」(旧名シアーズ・タワー)が建てられた当時は、オイルショックが起こり原油価格が高騰、ドルと金の交換が停止された。
同報告書は、今後投資家が注目すべきは中国だと指摘。中国では、向こう6年間で建設予定の世界の高層ビル124棟の半数以上が建設中であり、すでに240メートル以上の高層ビル75棟が完成している。
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