[リマ 15日 ロイター] 南米ペルーにある世界遺産「ナスカの地上絵」が、無断居住者たちが飼育し始めた豚によって荒らされる恐れが出ている。同国文化省が明らかにした。
ナスカの保護区への不法侵入は過去数年続く問題だが、ペルー文化省のブランカ・アバ氏によると、今年4月のイースター(復活祭)ホリデー中にも無断で住み始める人たちが現れ、貧困層や土地を持たない人を保護するための法律が、こうした無断居住者を立ち退かせる際の障害になっているという。
ペルーでは、土地を1日以上占拠した人には、立ち退きの前に訴訟手続きの権利が与えられる。訴訟には2─3年かかるケースもあり、アバ氏は「それまでに(地上絵のある)場所が荒らされてしまうことが問題だ」と述べた。
最近行った現地視察では、14頭の豚が飼育されていることが確認できたという。
一方、無断居住者のリーダーは、自分たちは「人口が増え続けている」近隣の町サンパブロの出身であり、「貧しくて土地や家を買うお金がない」と説明。ナスカ保護区の境界線はもっとはっきり書かれるべきだと注文を付けている。
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