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アングル:中国で高まる「クルミ」投資熱、富裕層のステータスシンボルに

[北京 28日 ロイター] 中国では低迷する株式市場を横目に、クルミなど「文化的玩具」と呼ばれる小物への投資熱が高まっている。株式や不動産など伝統的な資産への投資リターンが低迷し、場合によってはマイナスとなっていることに業を煮やした資産家らが多額の資金を投入。年代物で大きく均整の取れたクルミには、数万ドルの値がつく場合もある。

8月28日、中国では低迷する株式市場を横目に、クルミなど「文化的玩具」と呼ばれる小物への投資熱が高まっている。写真は北京近郊の市場でクルミの大きさを計る業者。27日撮影(2012年 ロイター)

クルミは手のひらで触っていれば血行を良くする効果があるとされ、中国の歴代皇帝らに愛用されてきた。一時は人気が離散したものの、最近になって富裕層の間で再びブームが起こり、投資対象としてばかりでなく、クルミ保有が「ステータスシンボル」にもなっている。

北京に住むクルミ収集家のKou Baojun氏によると、価値が高いのは大きく、古く、均整のとれた形のクルミ。Kou氏が持っているクルミの一部は1世紀前のもので、長年に渡って多くの人々に触られてきたため赤い輝きを放っている。

「この古さをご覧なさい。こうしたクルミで遊ぶなんて、普通の人にはできっこない」と満足の様子だ。

クルミ投資熱の高まりを受け、クルミビジネスに参入する者もいる。北京で小売店を経営するHu Zhenyuan氏は、収穫期を前にクルミの木を丸ごと買い取り、クルミを自分の店で売る腹づもりだ。

Hu氏は「クルミ投資は毎年人気が高まっている。10年前は350元(55ドル)だった1組のクルミが、今では3500元、モノによっては2万―3万元で売れる」と話す。

<ウリやコウロギも>

クルミへの投資熱は、中国政府による不動産投機抑制策を受け投資対象を失った人々の資金を集めた2010年に最高潮に達した後、いったんは落ち着いた。

しかし、株式市場が過去3年間に40%近く下落し、海外での魅力的な投資対象も少なくなる中、クルミやウリ、イエコオロギなどへの投資熱が再び高まった。

クルミ売買を扱うある人気の高いウェブサイトでは、1組のクルミに3万1000ドルの値が付けられている。

中国で小物への投資熱が高まるのは、今に始まったことではない。2006年には、雲南省で取れるプーアール茶の価格が「天文学的水準」まで高騰。2009年にはニンニク価格が急騰した。最近では、マホガニー製の家具が大きな人気を集めている。

キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、マーク・ウィリアムズ氏は「中国には、多額の貯蓄を抱えていながら、投資先が見当たらずに困っている人々がたくさんいる。不動産価格には懸念があり、株式市場は全く上昇していない。銀行預金もリターンが見込めず、そうした環境が投機熱をかき立てている」と述べている。

中国の証券監督当局は、投資家を株式市場に呼び戻そうと様々な試みを行っているが、アナリストは、株価下落で損失を出し、株式市場に懐疑的になった個人投資家が市場に戻ってくるには時間がかかると見ている。

約10年前にクルミに関する情報を提供するウェブサイトを設立したChi Rui氏は、クルミの価格が急騰しても食品価格に波及する恐れがない上、一般の人々の生活に影響を及ぼすことがないため、政府は気に留めないだろうと語っている。

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