[ボストン 4日 ロイター] 米ボストンの連邦地裁は4日、マサチューセッツ州に対し、殺人罪で有罪となった男性受刑者が求めていた性転換の手術費用支払いを命じる判決を言い渡した。手術を受けさせないのは、受刑者が持つ憲法上の権利に違反すると指摘した。
裁判記録によると、この受刑者は幼年時から性同一性障害だったが、薬物更生施設で出会った女性カウンセラーと結婚。1990年に女性の服を着ているところを妻に見つかり殺害し、2年後に仮出所のない終身刑を受けていた。
受刑者は2000年、手術を認めるよう求め、マサチューセッツ州を相手に提訴。裁判所はこれまで、受刑者が手術のための診断を受けることは認めていた。
判事は、医療関係者が手術を勧めていたにもかかわらず、矯正局幹部がさまざまな口実で拒否したと指摘。受刑者はホルモン治療を受けているものの、なお重度の性同一性障害を持ち、精神的な苦痛が続いているとし、残虐で異常な刑罰を禁止した合衆国憲法の修正第8条に違反すると判断した。
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