[ニューヨーク 19日 ロイター] チンパンジーやオランウータンも、人間と同じような「中年の危機」を抱えていることが分かった。英ウォーリック大学の経済学者アンドリュー・オズワルド氏らの研究チームが19日、「米国科学アカデミー紀要」に論文を発表した。
同チームは、日本や米国やオーストラリアなどで計508頭のチンパンジーとオランウータンを対象に、それぞれの個体が周囲との関わりの中で得られる満足感などについて調査。年齢を横軸に取って幸福度を描いたグラフはU字型を描き、人間で言う45─50歳で底を打っていた。
人間の幸福度がU字型を描く理由については諸説あるが、若い時には希望が満ちあふれているため幸福度が高く、中年では社会的・経済的要因から低下し、高齢になると蓄積された知恵を反映する形で再び上昇するとの見方がある。
オズワルド氏は、チンパンジーやオランウータンが人間と同様に「中年の危機」を抱えていることを示したことについて、彼らの社会が人間社会に極めて似ている可能性があり、例えば群れの中でボスになれないと悟った時などには絶望感を味わっているのではないかと語った。
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