[ニューヨーク 22日 ロイター] - 「私には夢がある」──。米公民権運動の指導者マーティン・ルーサー・キング牧師が演説でこう語り、人種差別の撤廃を訴えてから半世紀が経ったが、米国民の約半数は、肌の色による差別撤廃は「まだ道半ば」と感じていることが調査で分かった。
この調査は、ピュー・リサーチ・センターが8月1─11日に全米の成人2231人を対象に、電話アンケートの形で実施。その結果、1963年にキング牧師が演説で描いた「人種偏見のない社会」の達成には、まだ多くの問題が残されているとの回答は全体の49%となった。
ただ、黒人と白人が「非常にうまく」付き合っているとの回答は、黒人で73%、白人では81%に上った。調査には黒人376人、ヒスパニック系218人が参加した。
キング牧師は1963年8月28日、約25万人が参加した反人種差別デモで「私には夢がある」と語る歴史的な演説を行い、「黒人は物質的繁栄の広大な海の真ん中に浮かぶ貧困の孤島に暮らしている」と訴えていた。
今回の調査では、白人と黒人の間の経済的格差は50年前とほぼ同じであることも分かった。
ピューによると、1967年から2011年までに、黒人の世帯所得の中央値は約2万4000ドルから約4万ドルに増加。ただ、白人世帯所得の何%に相当するかで見ると、2011年時点でも59%と、1967年時点の55%から小幅上昇にとどまっているという。
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