November 25, 2014 / 10:53 AM / 5 years ago

日本は15年0.8%成長、賃上げと公債残高がリスク=OECD

[東京 25日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)が25日発表した経済見通しによると、日本は2014年に0.4%程度の非常に弱い成長にとどまるが、15年には賃上げや金融緩和効果を前提に0.8%成長へやや回復する見込み。

 11月25日、経済協力開発機構(OECD)が発表した経済見通しによると、日本は2014年に0.4%程度の非常に弱い成長にとどまる。銀座で昨年1月撮影(2014年 ロイター/Toru Hanai)

必要なのは来春のしっかりとした賃上げと、構造改革の実施だと指摘している。加えて財政再建目標達成に向け、歳入への大幅な追加措置や、歳出面での高齢化措置の削減が必要だとした。

今回の見通しは、安倍晋三首相が消費税率10%への引き上げを17年4月に延期したことを反映している。

説明に当たったランダム・ジョーンズ・経済局日本・韓国課長は、日本は2四半期連続のマイナス成長となったが、OECDではリセッションに陥ったとは見ていないとした。

日本が15年に成長率が回復するための最大の課題として、来年春闘における賃上げがしっかり行われることだと指摘した。

というのも、14年は消費税率の引き上げに賃金の伸びが追いつかず、実質賃金が低下した。15年は、生産年齢人口が年1.5%低下しているなど労働力不足が強まっていることから1人当たり賃金(名目)は14年の前年比1.0%から2.4%に力強く増加、実質賃金が上昇すると見込んでいる。これが民間消費を支えるとして、GDPベースの民間消費は14年のマイナス0.9%から15年は1.0%へ拡大する見通しを示した。

またOECDでは、世界貿易が回復するにつれて、円安を背景に輸出の伸びを維持することもできるとみている。

他方で財政再建については、10%への消費税率引き上げの延期はあるものの、公共投資の削減を中心とする歳出削減により、基礎的財政収支の赤字は改善する見通し。しかし2020年度の黒字確保、さらには公的債務残高GDP比の安定的低下をもたらすためには、大幅な追加的措置を歳入面、そして特に高齢化関係経費を中心に歳出面で行う必要があるとした。

日銀による量的・質的金融緩和策は、物価目標が安定的に達成されるまで継続されるべきだと指摘。10月末に日銀が実施した追加緩和措置は、長期金利の上昇を抑え、物価を高めることに役立つだろうと評価した。

しかし物価(コアCPI)は、成長率低下と原油・商品市況の下落で14年後半に1%程度に減速する見込みで、OECDの見通しでは16年になっても1.6%と目標の2%には届かないとみている。

こうしたシナリオに対して、リスクは下押し方向にあるとも指摘。非正規雇用の増加といった要因による賃金上昇の緩慢さは、物価・賃金・企業収益への好循環にとって主要なリスクとなる。

世界経済の脆弱さも、リスク要因として上げている。さらに、経済停滞を避けるための財政出動はありうるが、財政再建目標の実現をさらに難しくし、未曽有に高い公債残高に伴うリスクにも留意する必要があるとした。

中川泉 編集:宮崎亜巳

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