[ロンドン 5日 ロイター] - エネルギー調査会社ウッド・マッケンジーは5日、世界各地の油田は原油価格の低迷で赤字操業が続いているものの、生産を停止したのは一握りだと指摘した。原油市場は日量200万バレルの供給過剰にあり、価格は過去1年半で70%超も下落した。
財務状況が底堅いとみられる一部の産油業者は供給を継続し、結果的に市場の回復を遅らせる可能性があるという。
ウッド・マッケンジーの投資調査部門のロバート・プラマー氏は「予算の削減に伴って投資が減速しているため、産油量は将来的に減少するだろう。ただ、財務面の理由で(油田の)生産が停止する兆候はほとんどない」と述べた。
同社によると、世界全体の産油量(日量9610万バレル)のうち、原油価格が下落に転じてからこれまでに削減されたのは、わずか10万バレル。減産の大半は、カナダのオイルサンド(油砂)や米国の在来型油田、英国領北海の老朽化油田で行われた。原油価格の回復期待は、赤字油田での生産停止を思いとどまる要因にもなりそうだ。
プラマー氏は「生産再開コストを踏まえると、価格の持ち直しを期待しながら赤字操業を続ける産油業者が大多数を占めている」との見方を示した。