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アングル:原油需給、ゴールドマンだけが大幅供給超過を予想
2017年4月11日 / 05:31 / 7ヶ月後

アングル:原油需給、ゴールドマンだけが大幅供給超過を予想

[ロンドン 10日 ロイター] - 米シェール産業の発展に伴って原油市場における供給サイクルが様変わりし、原油需給の見通しにも影響を及ぼしている。

 4月10日、米シェール産業の発展に伴って原油市場における供給サイクルが様変わりし、原油需給の見通しにも影響を及ぼしている。写真はポンプジャック。カリフォルニア州で2013年4月撮影(2017年 ロイター/Lucy Nicholson)

ほとんどの投資銀行やトタル(TOTF.PA)、ENI(ENI.MI)を含めた大手石油会社は、2014年以降の原油価格急落による業界の急激な投資削減のため、今後2年で市場は供給不足に陥ると警告する。

しかしゴールドマン・サックス(GS.N)だけは、足元の価格反発を背景にした米国の生産回復と従来型の新規プロジェクトが相次ぐことから、2019年までに大幅な供給超過が生まれると予想。シェール業界の開発・生産調整スピードを重視した格好だ。

シェール革命以前の従来型石油だけの世界では、将来の供給量は表面化しているプロジェクト案件を数え上げ、産油国の政治リスクなど不確定要素をある程度織り込めば済んだ。

ただその後登場したシェール産業は価格変動に素早く対応し、油田の稼働・休業を数週間単位でできるので、生産サイクルが短縮化された。このため石油輸出国機構(OPEC)、国際エネルギー機関(IEA)をはじめ多くの機関がシェール産業について、原油価格急落時には減産幅と価格反発による増産ペースの見積もりが過小になってしまった。

そうした中でゴールドマンは、シェール産業の動きを考慮に入れた上で、今後油田開発が大規模化してOPECの減産による需給均衡の取り組みを難しくするとみている。

ゴールドマンの株式調査チームは先月、「長いリードタイム(実施までの期間)のあったプロジェクトが相次いで押し寄せることと、米シェール業界が主導した短期的なサイクルが相まって、2018─19年に相当な供給超過が生じかねない」と指摘。こうした要因で18─19年の世界の原油供給量は日量100万バレル増加する可能性があるとの見方を示した。

全体としては、原油は供給不足になるとの声が多い。ウッド・マッケンジーは2025年までに日量2000万バレルの不足に見舞われると予想。モルガン・スタンレー(MS.N)は、今年の米国における生産急増も、市場の需給均衡化を阻むことはないと主張する。

モルガン・スタンレーは「OPECは生産抑制に成功しており、米国のシェール業界の掘削活動が急激に上向いているとはいえ、年内の大規模な在庫引き出しの妨げになるほどのスピードではないだろう」と分析した。

UBS(UBSG.S)も、今年の原油高で探査・開発計画が進んだとしても、20年までに400万バレルの供給不足になる可能性があると見込んでいる。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチによると、米国外では掘削リグ稼働数が増加する兆しが見えないという。

それでも市場はゴールドマンの意見に耳を傾けているように見受けられる。北海ブレント先物の19年までに受け渡しとなる取引は、期近物の価格を下回っている。

(Amanda Cooper記者)

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