[26日 ロイター] - 国際オリンピック委員会(IOC)のディック・パウンド委員は26日、ロイターに対し、東京五輪・パラリンピック開催への批判について、一部は「政治的なポーズ」との見方を示し、予定通り開催すべきだと強調した。
観客の有無が唯一の問題点だが、これは「運営上の細部」で、大会開催自体における重要性はないとした。
オリンピックのオフィシャルパートナーである朝日新聞が26日付の社説で、五輪大会の中止の決断を首相に求めたほか、一部の医師団体も開催に反対し、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は23日、ツイッターへの投稿で、開催した場合の新型コロナウイルス変異株まん延などについて懸念を示した。
パウンド委員は電話取材に対し、「批判の一部は政治的なポーズであることが明らかになるだろう」と述べ、「総選挙が今年10月か11月ということは、選挙での事後的な立場表明に向けバックスイングしているのかもしれない」との見解を示した。
日本国内の各種の世論調査では、大会延期や中止を求める声が優勢になっている。
パウンド氏は日本国内の新型コロナワクチン接種の遅れは意外感があると指摘。日本人は何かに取り組む際は「非常に計画的で効率的、効果的だが、ワクチンについてはどういう訳かそうではない。何が問題なのか分からない」と語った。
また、「緊急事態宣言の発令について困惑している」とし、「緊急と呼ばれているが、銀座のレストランやバーは全て営業を続けている」と続けた。
政府や保健当局、IOCは密に連絡を取り合っているとした上で、「いかなる重大なリスクも生じさせずに大会は開催できるというのが科学に基づく結論だ」と強調。
日本人はソーシャルディスタンスやマスク着用、東京に行かないなどの感染予防策を取れるとし、「科学的根拠に基づく決定なら私はそれを支持するし、現時点で誰も予想していないような重大なことが起きない限り、開催を支持する」と語った。
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