[ロサンゼルス 9日 ロイター] - 米コムキャスト傘下のNBCユニバーサルが9日公表したデータによると、新型コロナウイルスの感染が拡大する中で開催された東京五輪の視聴者数は2012年のロンドン大会時の約半分となった。
NBCの放送ネットワークやデジタルプラットフォームを合わせたプライムタイム平均視聴者数は1550万人。夏季五輪の視聴者数としてはNBCが放送を始めた1988年以来の最少となった。
ロンドン大会の視聴者数は3110万人、16年のリオデジャネイロ大会は2670万人だった。
開催国との時差の違いや新型コロナ流行、ストリーミングサービス充実度の違いなどを考えると、過去の大会と完全には比較できない。
NBCスポーツのピート・ベバクア会長は発表文書で「メディアにおいて、17日間の五輪放送ほど強力なものはない。この18カ月間、数々の困難に見舞われたが、NBCユニバーサルのさまざまなプラットフォームで視聴者に届けられた五輪の力は、他に類を見ないものだったことが証明された」と述べた。
東京大会ではNBCのデジタルおよびソーシャルメディアプラットフォームを通じた視聴時間が約60億分と、五輪として過去最長を記録した。
NBCユニバーサルは、放送ネットワーク2局、ケーブルネットワーク6局に加え、ストリーミングサービス「ピーコック」を含む複数のデジタルプラットフォームで五輪を放送。そのため、一部の視聴者は混乱し観戦したい競技を探すのに苦労した。
東京大会では、注目選手の欠場もあった。米体操女子のエース、シモーン・バイルス選手は精神的な理由で6種目中5種目を欠場。米陸上界のスター、シャケリ・リチャードソン選手はマリフアナ使用で資格停止処分となった。
NBCは32年まで米国内での五輪放送権を保有している。次の大会は22年2月開催予定の北京冬季五輪となる。
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