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五輪=野球の日本代表、米国下し優勝 人気低下の中で悲願の金

[東京 7日 ロイター] - 野球の日本代表は7日、東京五輪の決勝で米国を2─0で下し、正式競技になって以降で初の金メダルを獲得した。人気低下や少子化で若い世代の競技人口が減る中、国内の野球関係者にとって悲願の五輪制覇となった。

監督の稲葉篤紀は「1つも楽な試合はなかった」とした上で、「とにかく勝ちたいという、金メダル取りたいというそういう思いが結束して、いいチームでいい試合ができたと思う」と語った。

試合は3回の裏、8番の村上宗隆が左中間へ本塁打を放ち日本が1点を先制。8回裏に1番の山田哲人がヒットで出塁すると、坂本勇人の送りバントで2塁へ進塁した。続く吉田正尚がセンター前ヒットを打ち、相手の守備が乱れた間に追加点を奪った。

先発の森下暢仁は5回を投げて被安打3、5つの三振を奪った。千賀滉大、伊藤大海、岩崎優と継投し、最後は栗林良吏が締めた。米国は7回表に初めて3塁まで走者を進めたが、チャンスを生かせなかった。

捕手の甲斐拓也は、「苦しかった。でもこうしてみんなで喜び合えて本当に嬉しい」とし、「投手陣が一生懸命投げてくれた」と述べた。

日本は野球が五輪の公開競技となった1984年のロサンゼルス大会で優勝。88年のソウルで銀、正式競技となった92年のバルセロナと96年のアトランタ、04年のアテネでそれぞれ銅、銀、銅を獲得。00年のシドニーと08年の北京はいずれも4位とメダルを逃した。

<高校野球は部員減少と資金難に直面>

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自国開催の今大会、国内の野球関係者は日本の金獲得を強く願っていた。準決勝で韓国を破った翌日の5日、プロ野球広島カープなどで活躍した元日本代表の4番バッター、新井貴浩氏はロイターの取材に対し、「金メダルは日本の悲願。それがすぐそこまで来ている」と語った。

野球はかつて日本で圧倒的な人気を集めるスポーツで、国民的スターの長嶋茂雄氏や王貞治氏が今大会の開会式で聖火ランナーを務めたのはその象徴だ。しかし、娯楽の多様化や、サッカーなど他競技の興隆で人気が相対的に落ちており、少子化などとあいまって若い世代の競技人口が減少している。

一番苦しいのは高校野球、と指摘するのは阪神タイガースなどで投手として活躍した元日本代表の藤川球児氏だ。大会を存続させるのが非常に厳しい状況だという。「(五輪は)競技人口増加のために非常に重要な要素」としたうえで、「金メダルを取ることで、野球に対する国民の応援が出てくる」とロイターに話した。

高校の硬式野球の部員数は、2014年の17万312人をピークに21年は13万4282人まで減少。ここ2年は新型コロナウイルスが追い打ちをかけ、財政的な厳しさも増している。昨夏の甲子園大会は中止、まもなく始まる今大会は無観客でチケット収入が見込めず、日本高等学校野球連盟がクラウドファンディングで開催費用の一部を募る状態だ。

野球は北京以降、五輪競技から外れ、今回の東京大会で復活したものの、24年のパリ大会では再び除外される。28年のロサンゼルス大会で復活するかはまだ不明だが、世界的な競技人口や人気の低迷が続けば、東京大会が「最後のアピール」の機会になる可能性は小さくない。かつてはアマチュア選手も参加した野球競技だが、最近はプロ野球選手のみ。「勝つ」ことが何より求められていた。

遊撃手で2番を打った坂本は優勝後のインタビューで、「東京五輪が開催されると決まってから、1つの夢でもあった」とし、「金メダルを取れて感無量」と話した。

(藤田淳子、久保信博 山口香子 編集:伊賀大記)

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