[10日 ロイター] - 米ソフトウエア大手・オラクルが10日発表した第3・四半期(2月28日まで)決算は、クラウド部門の売上高が市場予想に届かなかった。在宅勤務が広がる中、アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトとの競争が激化した。
第4・四半期については、為替変動の影響を除いた売上高が1─3%増加するとの見通しを示した。伸び率予想の中間値で算出した売上高は106億5000万ドル。リフィニティブがまとめたアナリストの第4・四半期売上高予想は108億4000万ドル。
株価は時間外取引で一時6.5%下落した。
在宅勤務の普及に伴い、オラクルやマイクロソフト、アマゾンのクラウドサービスに対する企業の需要は高まっている。
稼ぎ頭であるクラウドサービスとライセンスサポート部門の売上高は、5%増の72億5000万ドルで、リフィニティブがまとめたアナリスト予想の72億7000万ドルを下回った。
ラリー・エリソン会長は「できるだけ早期に新たな地域部門を開設し、急速に拡大する数十億規模のインフラビジネスをサポートしようとしている」と述べた。
アマゾンとマイクロソフトが提供するクラウドサービスに対抗するため、オラクルはデータセンターの設置を増やしている。
全体の売上高は100億9000万ドルと、前年同期から3%増加した。リフィニティブがまとめたアナリスト予想は100億7000万ドルだった。
調整後1株当たり利益は1.16ドル。アナリスト予想は1.11ドルだった。
サード・ブリッジのアナリスト、スコット・ケスラー氏は「オラクルが『クラウドジャイアントになりつつある』との指摘もあるが、成長は依然低水準だ。注目すべき点はあったものの、第3・四半期の売上高は3%増にとどまり、クラウド主導の伸びだった」と述べた。
*内容を追加しました。
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