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展望2022:日本株は堅調、最高値に迫る予想も 自動車は供給制約緩和に期待

[東京 1日 ロイター] - 2022年の日本株は堅調となり、日経平均は3万円を回復するとの見方が多い。主要国の中銀が金融政策の正常化に向かう中、世界経済の不透明感が強まるリスクがつきまとうが、日本株は出遅れからの見直しが進み、過去最高値に迫るとの予想もある。セクター別では、自動車関連が供給制約の緩和期待で有望視されている。インフレ下で上昇しやすい不動産にも関心が向かいそうだ。半導体関連は需要の継続力が注目点になる。

 2022年の日本株は堅調となり、日経平均は3万円を回復するとの見方が多い。写真は株価ボードを見る人。2013年10月、都内で撮影(2022年 ロイター/Toru Hanai)

市場関係者の見方は以下の通り。

●堅調な年に、景気に自信深めれば日経平均3万2000円も

<JPモルガン証券 チーフ株式ストラテジスト 阪上亮太氏>

来年の日本株は、アップサイドの余地が残る一方、下値は限定的で、堅調な年になりそうだ。世界経済が再開していく中で、企業業績は22年に11%、23年に7%の増益が見込まれる。1年先の株価収益率(PER)は、米国の21倍、グローバル平均の18倍に対し、日本は14倍弱と開きは大きく、出遅れ感のある日本株は見直されやすい。

FRBが利上げを実施する中でも世界景気の堅調が続き、市場が自信を深める局面では3万2000円に向けて上昇するだろう。

海外で日本株を保有する投資家は少なく、買い増しの余地がある。ファンダメンタルズの改善で主要国から遅れている日本株は、海外の株式市場がピークアウトしていく中で比較的堅調になるだろう。米国で利上げが始まれば、先行して上昇してきた米株から出遅れ国・地域への資金シフトが起こり得る。日本株は、新興国に次ぐ受け皿の候補になり得る。

セクター別では、自動車の業績とバリュエーションのバランスの良さに注目している。今後、供給網問題が緩和して業績の回復感も強まっていくだろう。不動産も有望だ。インフレとなる際に、株価が上がりやすい。経済再開の動きが強まればオフィス空室率もピークアウトするだろう。グローバルに利上げ局面に入る中で、金利感応度の高い銀行も買われそうだ。企業が抑制していた設備投資を再び拡大する中では、ITサービスの成長性も高い。

ただ、全体では大きく盛り上がる様子でもない。米国の金融政策正常化が進む中で米株安となれば、やはり日本株は上値を抑えられるリスクがつきまとう。日本では経済安全保障推進法の議論が浮上しており、日中関係への影響にも注意が必要だろう。参院選は重要イベントだが、現状では無風通過をメインシナリオとしている。

日経平均の2022年予想レンジ:2万8000―3万2000円

●年半ばに調整局面 テックサイクルのピークアウト感が頭抑える

<大和証券 チーフテクニカルアナリスト 木野内栄治氏>

2022年の株式市場は、中盤にかけて調整局面が訪れるとみている。その大きな要因は、米国で春ごろにテックサイクルがいったんピークアウトするとみられること。これまで半導体関連株が相場をリードしてきたが、これらが調整することによって、株式市場は影響を受けることになりそうだ。

国内については、岸田政権が打ち出した「単年度予算」の弊害是正が進行するかが注目点となる。これが進行すれば、重要インフラの整備がより進むことに繋がるため、政策課題としては大きなポイントになりそうだ。22年は夏に参議院選挙を控えるが、この単年度予算の修正が進めば、与党が負けることはないだろう。

米金利については、テックサイクルの調整によって景気に不透明感が強くなれば、米金融当局も年後半にはハト派に傾斜するのではないか。一方、新型コロナウイルスに関しては完全に織り込むのは難しいだろう。日経平均は6月ごろに2万4000円までの調整がありそうだが、その後は上向き、来年度末の2023年3月には3万3000円を指向すると想定している。

物色面では、自動車、通信、電子部品などが考えられるが、5Gなど通信関連の設備投資に一巡感が出た場合、金融株に戻る可能性も出て来る。

日経平均の2022年予想レンジ:2万4000─3万1000円

●上昇基調を維持、懸念材料は時間の経過とともに和らぐ

<三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト 市川雅浩氏>

来年のマーケットを取り巻く環境は、いくつかの注意すべき懸念材料があるものの、日本株は上昇基調を維持するとみている。底堅い企業業績とともに、株価は上向きに推移するだろう。日経平均の値がさ株やグロース株が引き続き日本株のけん引役になるとみている。

変異株の感染動向、世界的な供給制約、物価の高止まり、金融政策正常化などは、引き続き注視すべき材料ではあるものの、大きな波乱要因にはならない。オミクロン株を巡ってはコロナワクチンのブースター接種(3回目・追加接種)の効果が見え始めているほか、飲み薬の開発にも進展が見えており、重症化のリスクは抑制されている。

また、供給制約を巡っては、主要メーカーは調達の目途がついてきており、2022年半ばからは正常化するとみている。いったん目途がつくと、価格上昇に一服の兆しが見え始める。米連邦準備理事会(FRB)も景気が冷え込むほど速いペースで利上げを行うとは考え難く、いずれも時間の経過とともに脅威ではなくなるだろう。

注目すべきイベントは、夏に行われる参院選だ。自民・公明の与党が勝利するとなると、当面は国政選挙が行われない。岸田政権は長期安定政権に踏み出す布石として、早々に財政再建を進め、金融所得課税強化などといった株式市場が嫌気する政策を打ち出す可能性があるので、注意が必要だ。

日経平均の2022年予想レンジ:2万7300─3万5300円

●日経平均は見直し進む 反市場主義的スタンスに警戒も

<マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木隆氏>

来年は日本株の見直しが進むとみている。主要な中銀が金融引き締めの方向に向かい、世界経済の成長は鈍化が見込まれる一方、回復で出遅れた日本経済は来年にかけて回復基調が鮮明になり、日銀による金融緩和の継続も相まって、相対的にファンダメンタルズ良好と評価されるだろう。

足元の日経平均PER13倍台は歴史的な低水準で、堅調な企業業績の織り込みはこれからといえる。よほどのショックがあれば瞬間的に下落する場面はあり得るが、下げ余地は大きくはない。国内の経済再開を受けて陸運、旅行関連は有望だろう。供給網の問題が解消に向かう自動車も期待できる。半導体関連も、5Gや電気自動車(EV)などで需要拡大が見込まれ堅調だろう。

新型コロナウイルスの感染拡大リスクはくすぶるが、人類はワクチン開発力や新たな生活様式の経験などを蓄えてきており、ネガティブなインパクトは抑制されるだろう。コロナ影響は沈静化に向かうというのがメインシナリオとなる。

日本企業の収益は今期、約5割の伸びが見込まれるが、来年は世界景気の鈍化を受けて6%程度に縮小しそうだ。1株利益(EPS)の伸びが限られる中、日経平均の株価収益率(PER)が歴史的な平均値である15倍程度に高まる中で、株価は3万8000円程度となるだろう。

ただ、日本株だけが選好されるような展開は想定しにくい。岸田文雄首相から金融所得課税や自社株買い規制への言及があった。成長戦略を欠くまま分配が強調されれば企業の活力が削がれ得る。反市場主義的なスタンスが続くようなら、外国人投資家は日本株を敬遠しかねない。

日経平均の2022年予想レンジ:2万9000─3万8000円

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