[ソウル 31日 ロイター] - 韓国のソウルで、サッカーのイタリア・セリエAに属するユベントスが先週行った親善試合に人気選手のクリスティアノ・ロナルドが出場しなかったことに怒ったファンが、損害賠償を求める訴訟を起こした。
問題の試合は、韓国のKリーグオールスターズとの対戦だった。ロナルドは少なくとも45分出場する契約を結んでいたが、まったくプレーしなかった。
原告はチケット1枚当たり、代金として7万ウォン(約6400円)と手数料1000ウォン、「精神的苦痛」に対する慰謝料として100万ウォンの損害賠償を求めている。
原告側のキム弁護士はロイターに対し「多くの人がロナルド選手を見るためにチケットを購入した。主催のファスタ社は、ロナルドが少なくとも45分間プレーすることと、サイン会を開くことを取り決めたユベントスとの契約を発表していた」と説明。「このような場合は通常、原告はチケット代金の払い戻しを受けるが、今回は特別なケースだ。ファスタは虚偽の広告で、サッカーファンを利用したからだ」と述べた。
原告は現時点で2人だが、今後6万人以上に増える見通しだという。キム弁護士は「彼らはロナルドを愛し、守りたいにもかかわらず、状況を考えるとできないため、とてもつらいと感じている」と話した。
ファスタのロビン・チャン最高経営責任者(CEO)はテレビ局のSBSに対し、ロナルドが45分プレーする契約だったことを認めた。後半10分が経過したところで、出場しないことが分かったという。
チャン氏は同局に対し「ユベントスのネドヴェド副会長に文句を言いに行ったところ、副会長は『私もロナルドにプレーしてほしいが、したくないそうだ。申し訳ないが、私にはどうしようもない』としか言わなかった。非常にいら立った」と語った。
ファスタは27日にプレスリリースを公表し、ユベントスが契約条件を守らなかったと説明。Kリーグは、ユベントスが韓国サッカー協会との契約に違反したとして、抗議文を送付したことを明らかにした。
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