[22日 ロイター] - 経営難に陥っている米地銀持ち株会社のパックウエスト・バンコープは22日、74件の不動産開発向け融資をケネディ・ウィルソン・ホールディングスの子会社に売却すると発表した。元本の残高は約26億ドル。
これを2億ドルのディスカウントとなる24億ドルで売却。ケネディ・ウィルソンによると、この融資に関連する潜在的な資金調達義務27億ドルも引き受ける。
発表後にパックウエストの株価は約20%上昇。株価は5月上旬に付けた最安値から2倍以上となっているが、3月の危機発生以来、時価総額は4分の3近く減少している。
ビレール&Co(ニューオーリンズ)のポートフォリオマネジャー、ジョージ・ヤング氏は「地方銀行の質への懸念に、市場は過剰に反応したと思う。銀行はおおむね健全だ」と述べた。
6件の同様の債権(元本残高約3億6300万ドル)も追加で売却する。
売却は2023年第2・四半期から第3・四半期前半にかけて、複数のトランシェで実行する予定。
ウェドブッシュのアナリストはノートで「リスク加重資産の減少が(融資のディスカウント水準での売却による)損失を相殺し、規制資本比率の小幅な改善につながると考えている」と指摘した。
パックウエストはまた、27億ドルのレンダーファイナンス融資ポートフォリオの売却を検討していると既に発表しており、来月までに完了する予定だ。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」