[ニューヨーク 26日 ロイター] - 米ニューヨークの墓地にある壮麗なゴシックのアーチに、アルゼンチンから飛来したオキナインコが巣をつくり、観察に訪れる自然・歴史愛好家が年々増えている。原産国のアルゼンチンでは農業害鳥とされているが、ブルックリンのグリーンウッド墓地に営巣したインコたちは、数十年にわたり墓参者の心をなぐさめてきた。
民間に伝えられるところによると、オキナインコは1950年代にジョンFケネディ空港から輸入された。その後籠脱けし、静かで人がほとんど危害を加えないこの場所に定着したとされる。
グリーンウッド墓地は1838年に建設された全米で最も知られる墓地の1つ。面積102ヘクタールの敷地には富裕で著名なニューヨーカーらが埋葬されている。生息するオキナインコは75羽前後で、マツなど種子性の樹木や草が充分な食糧供給源となっている。
オキナインコの定着を受けて人々が足を運ぶようになり、2017年には10ドル(約1056円)からの価格で、バードウォッチング、花、歴史などのテーマによるガイドツアーに4万人が参加した。訪問者は26万人に達し、前年の25万人を上回った。
*3段落目の「1830年」を「1838年」に訂正して再送しました。
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