[2日 ロイター] - 米決済サービス大手、ペイパル・ホールディングスは2日、アクティビスト(物言う株主)として知られる米エリオット・インベストメント・マネジメントが20億ドル強相当のペイパル株を取得したと明らかにした。
同社はまた、通年の利益見通しを引き上げた。これを受けて取引終了後の時間外取引で、ペイパルの株価は約12%上昇した。
米コンピューターゲーム販売大手、エレクトロニック・アーツの幹部、ブレイク・ヨルゲンセン氏を最高財務責任者(CFO)に起用する人事のほか、150億ドルの新たな自社株買い計画も同時に発表した。
通年の調整後1株利益見通しは3.87─3.97ドルとし、従来の3.81─3.93ドルから引き上げた。
エリオットのマネジングパートナー、ジェシー・コーン氏はペイパルは決済事業で「比類がなく、業界をリードする」存在だと評価。エリオットは前日に画像共有サイトの米ピンタレストの筆頭株主になったと発表している。
ペイパルは新型コロナウイルス禍の特需で業績が押し上げられたが、その後のネット通販の成長鈍化を背景に1年間で時価総額の7割強が消失した。
ルーズベルト・インベストメンツのシニアポートフォリオマネジャー、ジェーソン・ベノウィッツ氏は過去9カ月間の株価低迷や相次ぐ業績の下方修正で、投資家が経営陣への信頼を多少失っていたことを踏まえると、今回の発表は投資家を満足させるのに十分な内容かもしれないと分析。アクティビストを株主として迎え社内情報の共有でも合意したことで「経営の最上層部を大幅に刷新し、利益率改善のために難しい選択も行う」と期待できるとした。
同社は、コスト圧縮のために人員を削減する見込みとしたほか、年間の為替変動の影響を除く売上高の伸び率は11%になるとの見通しを示した。従来の予想レンジ(約11─13%)の下限となった。
4─6月期の1株当たり利益は0.93ドル。前年同期の1.15ドルから減少したが、市場予想の0.86ドルは上回った。為替変動の影響を除く売上高は10%増の68億ドル。決済量が13%増加したことで押し上げられた。
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