[東京 19日 ロイター] - 内閣府は、21日の経済財政諮問会議で、2018年度の国と地方の基礎的財政収支が9.2兆円の赤字(対GDP比1.7%のマイナス)となる試算を示す。安倍晋三政権は、同年度を20年度の収支均衡に向けた中間年度と位置付け、新たにGDP比で1%のマイナスに改善させる目標を掲げたが、依然として健全化への道筋は描けない。
基礎的財政収支は、税収などの歳入で政策経費をどの程度賄えているか示す指標。政府はアベノミクスに伴う税収増を経済成長と財政再建の両立に活かす構えだが、税収頼みの姿勢では、首相の財政運営を不安視する声が強まりそうだ。
内閣府が作成した「中長期の経済財政に関する試算」(中長期試算)によると、名目3%、実質2%超の高成長を実現しても、昨年6月に掲げた中間目標は達成できない。
20年度の見通しは、なお厳しい。消費税率10%時に導入する軽減税率の財源にメドが立っていない現状を踏まえ、内閣府は、同年度の基礎的財政赤字を6.5兆円(対GDP比1.1%のマイナス)と見込み、昨年7月の前回試算より0.3兆円悪化する姿を示す。
経済が足元の潜在成長率並みで推移すると仮定した「ベースラインケース」では、同年度に12.4兆円の赤字(同2.3%のマイナス)が残る見通しだ。
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