[フランクフルト 13日 ロイター] - 米ニューヨーク州で襲撃され重傷を負った作家のサルマン・ラシュディ氏は、数週間前に行われた独誌のインタビューで、殺害予告を受けて何年も身を隠して暮らしたが、現在の生活は「比較的普通」だと語っていた。
シュテルン誌とのインタビューは18日に掲載される予定だったが、襲撃を受けて13日に公開された。同誌によると、インタビューは約2週間前に行われた。
2016年に米市民権を取得し、ニューヨークに居住しているが、インタビューでは米国における民主主義への脅威に懸念を表明。こうした脅威は、人種差別や自由主義の成果への憎悪に駆られたもので「ファシズムの前段階」と指摘した。
その上で、米国民は世の中にだまされていると信じており、それは真実を巡ってトランプ前大統領が勝ち得たもので最も重要だと述べた。
ラシュディ氏はイスラム教預言者のムハンマドを題材にした小説「悪魔の詩」を出版したことでイランの故ホメイニ師らから激しい非難を受け、10年近く身を隠していたが、近年は公の場にも姿を見せていた。
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