[11日 ロイター] - 米清涼飲料大手ペプシコは、2021年の為替変動や買収の影響を除く売上高が1桁台半ばの増加率となり、調整後利益は1桁台後半の伸びになるとの見通しを示した。経済再開や新型コロナウイルスワクチンの普及でコロナ前の生活様式が戻ると見込む。
コロナ流行下で消費者がスナック菓子や飲料の買いだめに走ったため、同社は、食品や小売販売に重点を置くビジネスモデルが奏功して競合する米コカ・コーラよりもコロナ危機をうまく切り抜けてきた。
ペプシコが発表した第4・四半期決算は売上高が8.8%増の224億6000万ドルと、市場予想を上回った。コロナ感染第2波での巣ごもり需要でスナック菓子を扱う「フリトレー」の北米部門の売上高は5%増となり、北米飲料事業の売上高は5.5%増となった。
特別項目を除く1株利益は1.47ドルと、リフィニティブ/IBESがまとめた市場予想を0.01ドル上回った。
需要増を受けて同社は昨年、直販サイトを立ち上げた。
ヒュー・ジョンストン最高財務責任者(CFO)はロイターに「当社はこの環境でうまくやる方法を見いだした」と説明。無糖や低カロリーといった健康志向の商品が特に好業績に寄与したという。
一方、レストランや自動販売機を含む食品サービス部門の売上高は2桁台の減少となった。
ラモン・ラグアルタ最高経営責任者(CEO)は今年下半期までにコロナ前の消費行動がある程度戻ると予想。ネット購入の増加や在宅勤務の拡大といった一部の新生活様式は維持される可能性が高いとした。
コンサル会社ピュブリシス・サピエントのマネージングパートナー、クリステン・グロー氏は「ペプシコの成功は投資戦略と家庭内消費重視に導かれたもので、飲料をはじめ同業他社よりも好調となっている」と指摘した。
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