for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

アングル:割安感際立つ米銀行株、雇用統計強ければ妙味高まる見通し

[ニューヨーク 3日 ロイター] - 最近見られた米経済情勢の改善を示す兆候が今後も続くと見込んでいる投資家は、2月の米雇用統計が4日に発表されるのを控え、今年に入って売りたたかれている銀行セクターに着眼点を移すかもしれない。

 3月3日、最近見られた米経済情勢の改善を示す兆候が今後も続くと見込んでいる投資家は、2月の米雇用統計が3月4日に発表されるのを控え、今年に入って売りたたかれている銀行セクターに着眼点を移すかもしれない。写真はニューヨーク証券取引所で2月撮影(2016年 ロイター/Brendan McDermid)

S&P金融株指数.SPSYは年初来で8%強低下しており、S&P総合500種の主要10業種指数の中では最も下落率が大きくなっている。

銀行株は2016年序盤の数週間、景気後退をめぐる懸念や、米連邦準備理事会(FRB)が利上げするとの観測が後退したことが響き、軟調に推移していた。外国の一部中央銀行がマイナス金利政策を導入する動きも、米銀には逆風となっている。

加えて、原油相場の下落によりエネルギー関連企業向け融資が不良債権化するとの懸念が強まったことも、銀行株を圧迫する要因になった。

こうした状況から、銀行株は極めて割安になっている。12カ月後の業績見通しに基づく金融セクター株の株価収益率(予想PER)は平均12倍で、S&P総合500種構成銘柄全体の平均である15.7倍を下回っている。

銀行株の中でも、バンク・オブ・アメリカBAC.Nの予想PERは9.6倍、シティグループC.Nの予想PERは8.2倍。両銘柄とも2月後半には株価が持ち直し始めているものの、予想PERは金融セクターの平均より低く、銘柄別のPERとしても過去最低水準になっている。

ヴンダーリッヒ・セキュリティーズのチーフ・マーケット・ストラテジスト、アート・ホーガン氏は銀行株について「潤沢な資金を確保しており、借り入れが過剰というわけではなく、資本も十分に増強した状況で事業を続けているにもかかわらず、歴史的な低水準のバリュエーションで取引されている」状況が「信じられない」と述べた。

ただ、最近発表された製造業や消費支出、労働市場に関する経済指標が強めの内容だったことを受け、昨年第4・四半期には停滞していた米経済の成長が加速しつつあることが示されたのに伴い、銀行株はここ2週間は上昇している。

さらに4日発表される2月の雇用統計でそうした見方が強まってFRBの利上げ観測が広がれば、銀行株の魅力は一段と高まるだろう。

CMEグループのFEDウオッチ・ツールによると、FRBが今年12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに踏み切る確率は60%となっている。市場ではFRBが年内に利上げする公算は小さいとする見方と、少なくとも1回は利上げを行うとの見方が交錯している。

一方、銀行株が本格的に持ち直すには、障壁も待ち構えている。仮に雇用統計が弱い内容であれば、利上げ観測は後退するだろう。また石油市場は依然として供給過剰が続いており、原油相場が再び下落基調に入る可能性もある。

さらに重要な要素は、銀行が利益を伸ばすのが難しくなっていると予想されていることにある。米資産運用会社ジャナス・キャピタル・グループのビル・グロス氏によると、金利がさらに低下して預貸金利鞘が一段と縮小すれば、銀行の収益は悪化するという。

銀行の短期的な利益の伸びは、大半がコスト削減に伴うものであり、投資家は購入すべき銀行株を選ぶ際に「厳選」するだろう、と話すのはフォート・ピット・キャピタル・グループでシニア株式調査アナリストを務めるキム・フォレスト氏だ。

フォレスト氏は銀行株について、投資家は割安という判断基準だけでなく、成長性を伴った銀行に焦点を当てる必要があると指摘。銀行株を「一緒くたに買うことはできない」と語った。同氏は現在、PNCフィナンシャル・グループPNC.Nやバンク・オブ・ニューヨーク・メロンBK.Nの株式を保有している。

(Chuck Mikolajczak記者)

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up