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インタビュー:米長期金利、年末にかけ2.75─3%へ=米PGI
2017年7月3日 / 09:52 / 5ヶ月後

インタビュー:米長期金利、年末にかけ2.75─3%へ=米PGI

[東京 3日 ロイター] - 米資産運用大手プリンシパル・グローバル・インベスターズ(PGI)のチーフ・グローバル・エコノミスト、ボブ・バウアー氏は、ロイターとのインタビューで、米10年債利回りUS10YT=RRは年末にかけて2.75─3.0%のレンジに向けて上昇するとの見通しを示した。

 7月3日、米資産運用大手プリンシパル・グローバル・インベスターズのチーフ・グローバル・エコノミスト、ボブ・バウアー氏は、米10年債利回りは年末にかけて2.75─3.0%のレンジに向けて上昇するとの見通しを示した。2016年12月撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

PGIは世界的大手金融グループ、プリンシパル・ファイナンシャル・グループ(PFG)(PFG.N)傘下の資産運用会社で、本拠地はアイオワ州デモイン。3月末時点の運用資産残高は4244億ドル(約48兆円)。

インタビューは同氏が来日した30日に行った。概要は以下の通り。

──米国は利上げ局面に入ったが、年初の大方の市場予想に反して、米長期金利がなかなか上がらない。

「2004年、FRB(米連邦準備理事会)が短期金利を引き上げても長期金利が動かなかった状況を指して、当時のアラン・グリーンスパン議長が言った言葉だが、まさに『コナンドラム(謎)』だと言えよう」

「世界経済は景気回復局面にあり、米国だけでなく、日本、欧州、中国なども根本的には悪くない。米国経済の2017年の成長率は2.3─2.5%のレンジに着地するとみている。失業率は4.3%(と完全雇用に近い状態)で新規失業保険申請件数も減少しており、賃金の伸びその他の経済指標から見ても労働市場は明らかにタイト化しており、これで長期金利が上がらないのは謎だ」

「私は、これには2つの側面があると分析している。1つは、投資家のコンセンサスがいまだに低金利の長期化を見込んでおり、若干ながらデフレすら懸念していることだ。このコンセンサスが背景となり、モメンタム的にもなかなか利回りを押し上げる方向に向かわない。投資家にとっては金利低下あるいは低金利の継続に賭けたトレードが過去10年間にわたって有効な『勝ちパターン』だったことから、なかなかその惰性から抜け出せないでいる」

「もう1つは、日本や欧州の比較的安全な資産とされる国債利回りとの競争によって、米金利が低位推移してきたという側面だ。それらの国債利回りが低過ぎる中で、米国債利回りだけがどんどん上昇するというのは難しい。しかしながら、足もとではドイツ国債や日本国債と米国債の利回りスプレッドがこれまでになく拡大しつつある」

──潮目の変化が起きつつあると。

「起点は昨年前半にさかのぼるが、われわれは10年にわたって続いた世界的危機と各国中銀による量的緩和が繰り返された荒れ模様の時期(economic ugliness)からようやく抜け出し、正常化に向かいつつある。それを踏まえれば、長期金利にも一定の上昇圧力がかかることが自然だと思われる」

「米利回りへの上昇圧力をもたらす源は3つあるとみており、1つはECB(欧州中央銀行)が既に金融緩和の縮小に言及し始めたこと。数日前にドラギ総裁が出口を示唆する発言を行った際には、ドイツ国債利回りが瞬間的に12ベーシスポイント(bp)跳ね、その動きは米国債利回りにも波及した。日本の黒田(日銀)総裁はまだ出口戦略には言及していないが、今年後半には少なくとも出口の可能性には言及するとみている。そうなれば、欧州や日本の金利が上昇すれば、米国金利に現在のしかかっている下方圧力が取り除かれるだろう」

「2つ目の源は、イエレンFRB議長が見立てる通り、われわれも最近のインフレの弱さを一時的だとみていることだ。原油価格も底打ちしたとみられるし、賃金も今後は上昇し、それがコアインフレ率の上昇につながるだろう。企業の価格決定力は増し、労働市場は一段と引き締まると考えている」

「そして3つ目はFRBによる利上げだ」

──米国の利上げパスをどう予想するか。

「今年の利上げ回数は、つい先日まで3回を見込んでいた。既に2回利上げしているので、9月か12月に追加利上げが実施されるとみていたが、6月のFOMC後の会見で(イエレン議長が)バランスシート縮小の計画について明確に概略説明を行ったことを受けて見方を改めた」

「60%ほどの確率で、FRBは次の利上げを年内ではなく、来年まで控えると思う。イエレン議長は自分の任期中にバランスシート縮小を手掛けたい、しかもゆっくりしたペースでやりたいと考えていると思う。特に初回は市場の反応を見ながら、混乱が起きないか確認しながら実施するだろう。無論12月に利上げすることもあり得るとは思うが、おそらく3月に先延ばしすると予想する」

──米金利見通しは。

「市場コンセンサスとはかなり異なるが、直近のピークである2.63%を超えて上昇するとみている。年後半、そして来年にかけては、米10年債利回りは2.75─3.0%のレンジに達するか、同レンジをやや上回る可能性もあるとみている」

インタビュアー:植竹知子、編集:伊賀大記

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