Reuters logo
インタビュー:日本株に強気継続、ガバナンス改革進展に期待=米PGI
2017年11月15日 / 08:09 / 1ヶ月前

インタビュー:日本株に強気継続、ガバナンス改革進展に期待=米PGI

[東京 15日 ロイター] - 米資産運用大手プリンシパル・グローバル・インベスターズ(PGI)のムスタファ・サグン株式最高投資責任者(CIO)は、ロイターとのインタビューで、堅調な世界経済とコーポレートガバナンス改革の進展を背景に、日本株式の強気スタンスを継続していると語った。

 11月15日、米資産運用大手プリンシパル・グローバル・インベスターズ(PGI)のムスタファ・サグン株式最高投資責任者(CIO)は、堅調な世界経済とコーポレートガバナンス改革の進展を背景に、日本株式の強気スタンスを継続していると語った。2016年12月撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

プリンシパル・グローバル・インベスターズはアイオワ州デモインに本拠を置く資産運用会社で、9月末時点の運用資産残高は4500億ドル(約51兆円)。

インタビューは同氏が来日した先週、東京で行った。概要は以下の通り。

──9月以降上昇基調の続く日本株に対する投資判断は。

「米国株はひと足先に2─3年前から史上高値圏に達しており、日本株はキャッチアップ(後追い)している途上だ。米株も米ドルも過去2年にわたって上昇していることから、われわれは日本を含む米国以外の世界株により大きな投資機会を見出している。日本株へのオーバーウエート(強気判断)も維持している」

「もう4年ほど前になるが、当時発足した(第2次)安倍政権が発信したアベノミクス政策を見て、チャンスだと思った。たしかに足元の日本株は(9月以降)外国人投資家からの買いに支えられ、高値を更新している。われわれは既に2─3年にわたって日本株を選好してきたが、ここにきてパフォーマンスが改善、ようやく果実が実り始めた格好だ」

「中でも、政府が主導した日本企業のROE(株主資本利益率)を向上させようというイニシアチブであるコーポレートガバナンス(企業統治)改革の取り組みには興奮した。それが長期的なコミットメントであることも理解している」

「最近の日本株の上昇は、世界的に経済成長が堅調であることが背景とみている。日本は世界景気に敏感であり、その影響を大いに受ける」

「外国人投資家の多くは日本をアンダーウエート(弱気判断)してきたが、もはやそれに正当な理由はない。マクロ経済は堅調で、企業業績も好調だ。目下、発表された各社の決算でもポジティブサプライズが相次いだ。またバリュエーション面でも割高感はない。特に割高感の目立つ米国とは比較にならない水準だ。このため、われわれは日本株にはさらなる上昇余地があるとみている」

──海外勢からは、アベノミクスの第3の矢は時間がかかり過ぎていると失望する声も聞こえてくる。

「不満とまでは言わないが、外国人投資家の間には『言葉だけでなく結果を』という傾向はあるだろう。お題目は素晴らしいが、評価は実際に改善されてから、ということだ。というのも、1990年代以降、結果の伴わないイニシアチブがいくつかあった」

「今後も一時的には壁にぶつかったり逆風が吹くこともあるだろうが、トレンドとしてはポジティブということだ。つまり、われわれのような長期目線で辛抱強い投資家にとっては、第3の矢はなお一段のチャンスだ」

「高値圏ではボラティリティーは高まるだろうが、懸念していない。高値をつけたことで利食う人もいるだろうし、ある程度の調整は避けられない。だが、それを乗り越えた後の鍵を握るのはファンダメンタルズであり企業業績だ。そこから新たな高値を目指すことが可能だと考える」

「政策の追い風もあり、企業の前向きなROE改善の取り組み、自社株買いや株主還元、コーポレートガバナンスの強化といったことが、日本が他の地域に差をつけるポイントとなろう。今はまだ、日本のポジティブな変化を信じられてない人はまだまだいる」

「過去のデータから見ても、外国人が買い上げてきた場合、特にアンダーウエートの状況から買ってきた場合には、3─6カ月間そのトレンドが継続する傾向がある」

──PGIの投資先について。

「前述の通り、既に数年にわたり日本株をオーバーウエートしているが、その投資先には変化がある。アベノミクス相場の初期には、(異次元の金融緩和の)恩恵を受ける金融株、そして円安の恩恵を受ける大型株、輸出関連株が中心だった」

「だが今は日本の銀行株は世界的に見ても割安だが、相応の問題を抱えており、われわれはもはや(日本の)金融株を強気にみていない。その代わり、中型株や内需関連株に投資先をシフトしている」

「その1つが航空会社のANAホールディングス(9202.T)だ。同社は2005年以来初めての自社株買いを発表し、われわれの求めるROE改善のストーリーにマッチする。つまり、金利関連セクターといった分類ではなく、より個別株のストーリーに焦点を当てた投資判断だ」

「円安の進行を確信できた数年前と違い、現在は今後のドル円相場を105─115円のレンジ推移とみており、為替だけでは選好する理由にはならない。一方、先日の総選挙以降、日本の政治リスクは、欧州をはじめ世界の他地域よりも低い」

インタビュアー:植竹知子 編集:伊賀大記

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below