October 11, 2018 / 1:20 AM / 10 days ago

インタビュー:米長期金利の一段の上昇、2019年に株価波乱と金利の反転低下招く=PGI

[東京 11日 ロイター] - 米資産運用大手プリンシパル・グローバル・インベスターズ(PGI)のチーフエコノミスト、ボブ・バウアー氏は、年末から来年初めにかけて米長期金利の上昇局面が訪れると予想し、それが米国株式相場の波乱と金利の反転低下を招く結果、連邦準備理事会(FRB)は2019年に1回しか利上げを実施できないとの見方を示した。

 10月11日、米資産運用大手プリンシパル・グローバル・インベスターズのチーフエコノミスト、ボブ・バウアー氏は、年末から来年初めにかけて米長期金利の上昇局面が訪れると予想し、それが米国株式相場の波乱と金利の反転低下を招く結果、連邦準備理事会(FRB)は2019年に1回しか利上げを実施できないとの見方を示した。写真はFRB本部。ワシントンで2015年9月に撮影(2018年 ロイター/Kevin Lamarque)

プリンシパル・グローバル・インベスターズはアイオワ州デモインに本拠を置く資産運用会社で、6月末時点の運用資産残高は4511億ドル(約51兆円)。

今月3日に行った来日インタビューの概要は以下の通り。

──世界経済のリスクとして、米中貿易戦争のエスカレートを挙げる向きも多い。

「ニュースのヘッドラインをはじめ、誰もが貿易摩擦に大きな注意を払っているが、その背景で起きている事象に目を向けることが重要だ。私の考えでは、貿易摩擦は真の問題ではない」

「米国および先進国については、良いニュース、悪いニュース、そして良いニュースという3つがある。1つ目は米国経済、そして世界経済が堅調である。それは来年、もしかするとそれ以降も継続するとみられる。これは良いニュースだ」

「2つ目は、経済状況が数年前と比べて格段に良くなって以降も(緩和的な)金融政策により潤沢な流動性を供給し続けた先進国の主要中銀と中国当局だったが、いよいよ金融政策の正常化のため市場から流動性を吸収する段となり、数カ月前からトルコ、アルゼンチン、南アフリカ、ブラジルといったエマージング市場で流動性ひっ迫を背景とした通貨安などの市場波乱が起きている。これが悪いニュースだ」

「3つ目は、少なくとも米国、そして英国、ユーロ圏、日本でもこれから賃金上昇が本格化するだろうということ。これは中間層にとって非常にポジティブなニュースだ。米国経済は好調、その他の国々の経済もそれなりの堅調さを保つ中、世界経済、特に先進国経済については当面、堅調に推移すると見込まれる」

「今年初めに株式市場で起きたボラティリティーの急騰は、この金融政策正常化の一環としての流動性の吸収が原因であり、マーケット関連のニュースでよく言われるように(米中)貿易摩擦が引き起こしたものではない」

──それをどう投資戦略として落とし込むか。

「短期的、すなわち向こう数カ月間は、少なくとも米国の株式相場は上昇するだろう。米国経済の好調さ、申し分のない企業収益、労働市場のタイトさ、高い消費者信頼感に照らし合わせても、上値余地がまだあるとみる」

「あと数カ月程度はグロース株が全体をけん引する格好でラリーが続くだろう。しかし年末、あるいは来年の第1四半期(1─3月期)においては、ディフェンシブなポートフォリオを構築することが株式投資家に利すると考える」

「債券に関しては、米国や欧州で長期金利上昇が継続するとみており、中短期債への投資を勧めたい。社債については、高格付け債を推奨する」

「そして将来的に米国10年債利回りが3.5%まで達したタイミングでは、米10年債の買いを勧める。われわれは10年物金利がその水準に長く留まるとは予想していないからだ」

「米長期金利については、2016年後半に起きた1.4%から2.5%への上昇と、2%から3%への上昇をみた昨年という計2回の上昇局面があった。そして今年は直近まで2.8%─3.1%のレンジ内での推移が続いていたが、このあと年末から来年初め頃にかけて、さらに50ベーシスポイント(bp)ほど上昇する3度目の波がやってくると考える」

「残念ながら、それは株式市場に波乱をもたらすだろう。結果として、長期金利はその水準に耐え切れず低下基調に転じ、10年債利回りは再び3%を割り込むとみている」

「先月に続き、今年12月と、恐らく来年3月にも利上げを実施するとみられるFRBだが、来年いずれかの時点でこのように長期金利が再び2.5%辺りまで低下する事態となったならば、それ以上は利上げすることができなくなるだろう」

「パウエル議長は慎重な人物であり、市場が順応できるよう、そこで利上げを休止するだろう。FRBは(最新のドットチャートで)今年12月に続いて、来年は計3回の利上げ実施を示唆しているが、3回はあり得ないと考える。来年は3月に1回利上げを行って終わり、それが私のメインシナリオだ」

(1 Japanese yen = $0.0088)

インタビュアー:植竹知子 編集:石田仁志

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