[マニラ 22日 ロイター] - フィリピン政府は21日、同国が領有権を主張する南シナ海の海域にあるサンゴ礁周辺に中国漁船約220隻が集結しているのが見つかった問題で、中国に対し、直ちに撤退させるよう求めた。
当局によると、フィリピンの沿岸警備隊は今月7日、中国の海上民兵を乗せたとみられる漁船約220隻がウィットサン礁(フィリピン名フリアンフェリペ礁)に停泊しているのを確認。
ロレンザーナ国防相は「中国にはフィリピンの海洋権益を侵害し、フィリピン領土・領海に侵入しているこれらの漁船を直ちに撤退させるよう求める」と表明した。
報道官によると、フィリピン軍は他国政府に中国漁船の存在について報告したという。
ロクシン外相は外交ルートを通じて中国側に抗議するかどうかを記者に問われ、ツイッターで軍高官らに求められた場合はそうすると返答した。
フィリピン政府横断のタスクフォースは20日遅く、中国漁船の存在は魚の乱獲や環境破壊の懸念を強めるもので、安全な航行も脅かしていると指摘した。タスクフォースによると、ウィットサン礁はフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内にある。
中国外務省の華春瑩報道官は22日の会見で、中国漁船は同海域で長い間漁をしており、最近は海の状況の影響で一部の漁船がそこに退避していたと説明。「これは非常に正常なことだと考える。すべての当事者が理性的な見方をするよう希望する」と述べた。
*中国外務省のコメントを追加しました。
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