[13日 ロイター] - イスラエルとの衝突が続くパレスチナ自治区で、抗議デモに参加した男性が催涙ガス弾に直撃され、顔から煙を出していた。2018年を象徴する写真について、ロイター・カメラマンが撮影当時の様子を語る。
撮影したカメラマン:Ibraheem Abu Mustafa
イスラム教の断食月ラマダンの最終金曜日にあたる6月8日、パレスチナ自治区ガザ地区のハンユニスの東で、ガザの住人が「帰還の行進」と呼ぶ抗議行動を取材しようと、他のカメラマンたちと待機していた。
私のいる場所から、何人かの抗議活動参加者がフェンスに向かって進んでいくのが見えた。イスラエル兵や車両が、フェンスの反対側のすぐ近い距離に配置されていた。抗議活動参加者が兵士に石を投げ始めた。兵士の1人がジープから降り、抗議活動参加者に向かって催涙ガス弾を撃ち始めた。
頭に当たると危険なため、抗議参加者は逃げ出すのが普通だ。そのため、顔からガスが出ている男性を見たときは驚いた。
彼に気づいたのは私が最初だった。最初は、ふざけて、あるいは抗議の意思を示すためにわざとガス弾を口の中に入れたのかと思った。だがすぐに、催涙ガス弾が顔を貫通して内部にとどまっているのだと分かった。
ほんの数秒の間の出来事だった。私は、男性が走り、地面に倒れ、救急隊員が駆けつける様子を撮影した。ガスは止まったが、顔や衣服は血に覆われていた。
救急隊員は男をストレッチャーに寝かせて運んで行った。私は他の参加者や負傷者の写真を撮り続けた。男性は明らかに危険な状態にあったし、私は最初に気づいたのに何もできなかったので、申し訳なく感じた。
恐ろしく、震えるような出来事だったが、気をしっかりもって取材し続ける責任があると感じていた。特に、その時のような驚くべき出来事を目にした場合はだ。