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ドル一時120円割り込む、弱い中国指標響く:識者はこうみる

[東京 4日 ロイター] - ドルは2カ月半分ぶりに120円を割り込んで、一時119.68円と10月22日以来の安値をつけた。弱い中国製造業PMIで、リスクオフが広がった。

 1月4日、ドルは2カ月半分ぶりに120円を割り込んで、一時119.68円と10月22日以来の安値をつけた。弱い中国製造業PMIで、リスクオフが広がった。ブダペストで2011年11月撮影(2016年 ロイター/Laszlo Balogh)

市場関係者のコメントは以下の通り。

<FXプライムbyGMO 常務取締役 上田眞理人氏>

ドルは120円を割り込んで下げが勢いづいた。

年末にかけての株高や円安は官製相場の色合いが濃かったが、現在はその反動が生じ、短期筋は官製相場で積み上がったドル/円のロングを投げている最中だと見ている。

ドルは欧州通貨や新興国通貨に対しては堅調だが、対円ではこれまで不自然に円が弱すぎた分の巻き戻し圧力がドル/円の下方リスクを高めている。

マグマが溜まった分、ドル/円の下げ余地は大きいとみられ、目先の下値目途は118.50円、その水準を割り込めば、昨年8月末の安値116円前半がターゲットになるだろう。

周囲を見渡せば、原油安、減速が顕著になる中国経済、シリア情勢などリスク回避を促す材料が多く、金融市場が現状から切り替えしてリスクオンになるには相当大きなエネルギーが必要だ。

<野村証券 チーフ為替ストラテジスト 池田雄之輔氏>

事前予想を下回る結果となった12月の中国製造業購買担当者指数(PMI)を受けて、まずはハンセン指数が崩れ、リスクオフが広がり、ドル/円の下押し圧力となった。きょうこれから発表される米製造業PMIも弱い内容になるとの連想も働いているようだ。

一部の投機筋は、既に円ロングとなっており、日銀の追加緩和姿勢が示されない中で、ドル/円を下攻めする好機と見ているようだ。

製造業に関連する指数は原油安の影響でグローバルに弱い状況だが、中国については電子機器関連のデバイスの在庫調整が終わりに近づいていることや、原油価格が底値近辺まで下がってきたことなどから、そう悲観的になる必要はないと考えている。

週末の米雇用統計では顕著な賃金の伸びと、それに呼応した米金利の上昇が見込まれ、投機筋の円ロングは早々に巻き戻しを迫られることになるかもしれない。

<あおぞら銀行 市場商品部部長 諸我晃氏>

弱い中国指標が悪材料となって株価が崩れ、ドル/円も120円を割り込んだ。並行して安倍晋三首相による「もはやデフレではない状況つくり出せた」との年頭あいさつでの発言が伝わり、日銀による追加緩和への期待はく落につながった面もあっただろう。

120円を割れたことで、ストップロスを巻き込んで119円台半ばまでは下押しがあってもおかしくない。ただ、株安主導の動きだとすれば、下げ余地は大きくないだろう。投機筋の円買い仕掛けや、輸出企業によるドル売り/円買いが出るようなら話は変わってくるが、まだそういう局面ではないようだ。

仮に119円半ばを割り込むなら、118円前半も視野に入ってくる。実需筋の新年の動きはまだ本格化していない可能性があり、今後の相場でのポイントになりそうだ。

<SMBC信託銀行プレスティア シニアFXマーケットアナリスト 尾河眞樹氏>

昨年のドル/円は過去最小値幅となる10.01円にとどまった。今年も上下両方向への変動余地は大きくなく、昨年と同程度の値幅にとどまる可能性がある。

基本シナリオは日米金融政策の格差に基づくドル高/円安。緩やかな利上げなら米景気のブレーキになりにくい。米国はほぼ完全雇用状態にあり賃金が上昇しやすい環境で、個人消費も堅調。先行きインフレが上昇する余地はある。米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーが今年の利上げを4回とみているのに対し、市場は2回程度との見方が多いが、米雇用統計などで堅調な景気が確認されれば、市場の見方がFOMCメンバーの見方に歩み寄り、ドル高/円安に寄与するだろう。

日本サイドでは、日銀による追加緩和の有無がポイントになる。昨年末の「補完的措置」発表後は追加緩和期待がしぼんでいたが、2016年度の物価見通しを下方修正する検討に入ったとの観測報道が出ており、市場でもあらためて追加緩和への思惑がくすぶってきている。

追加緩和がなければ年央にかけてドル/円は123─125円、あれば125─127円への上昇を予想する。前回14年の追加緩和の際には直後の1カ月間でドル/円は10円程度上伸したが、足元では日銀が追加でできる施策は限られるとの見方が多く、前回に比べれば円安への寄与度は低下しそうだ。

下方リスクとしては、引き続き原油価格の動向のほか、米大統領選挙など政治面での不透明要因や、テロなどの地政学的リスクにも目配りが必要だ。ある程度の円高局面も見込んでおく必要がある。ただ、それでも下値は117円程度にとどまるだろう。投機筋のポジションはスクエアに近づいており、現在の120円付近からの下押し余地は限られるとみている。

*コメントを追加しました。

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