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ロイター企業調査:「追加緩和」必要論高まらず、弊害の指摘も
2016年1月20日 / 23:08 / 2年前

ロイター企業調査:「追加緩和」必要論高まらず、弊害の指摘も

[東京 21日 ロイター] - 1月のロイター企業調査では、日銀による今年の追加緩和について、必要との見方と不要との見方が拮抗(きっこう)している。景気や金融市場の不透明感は高まっているものの、昨秋に比べ緩和期待は高まっていない。

 1月21日、1月のロイター企業調査では、日銀(写真)による今年の追加緩和について、必要との見方と不要との見方が拮抗(きっこう)している。2015年10月撮影(2016年 ロイター/Thomas Peter )

原油価格下落が収益に寄与している企業が増えていることも背景にあるとみられ、逆にこれ以上の金融緩和は弊害があるとの指摘が増えた。デフレ脱却の時期については年内との見方と、当面脱却できないとの見方が半々に分かれた。

この調査はロイター短観と同じ期間・対象企業で実施。資本金10億円以上の中堅・大企業400社を対象に1月5日─15日に行った。回答社数は260社程度。

調査によると、今年日銀による追加緩和が「必要」との回答は全体の51%、「不要」は49%。昨年10月の調査では「必要」が53%で、年初からの世界的な金融市場の動揺にもかかわらず、必要論は高まっていない。

「株安・円高は日本の物価下落・景気腰折れを織り込んでいる」(電機)として必要だとする声もあるが、10月よりも将来の弊害を不安視する声が増えている。「国民負担の増大を招くだけ」(輸送用機器)、「経済実態に見合わない。不安定な経済をもたらす懸念」(建設)、「通貨の自律性を歪める」(小売)、「不動産融資比率がバブル期より多い。どうやって巻き戻すのか」(不動産)など、様々な懸念が浮上している。

 

1バレル30ドルを割り込むほどの原油価格下落が、企業収益に寄与していることも、追加緩和の必要性を感じていない要因とみられる。原油価格下落が「大幅な増益」、「ある程度の増益」要因になると回答した企業は35%にのぼり、昨年2月調査時の26%よりも増えている。原材料価格の低下や物流コストの抑制となっているほか、自動車販売の上振れ要因との効果も挙がっている。

ただ原油安は収益に「影響はない」との回答も全体の57%を占めた。「原材料価格低下はプラスに働くものの、資源開発関連の顧客収益にはマイナス要因となり、一概にいえない」(ゴム)、「(原油安なのに)プラスチック製品価格や電気料金が下がらず、人件費が上がっているので少々の原油安でも効果が出ない」(機械)といった事情がある。

原油安が進行するもとで、日本経済が当面デフレから脱却できないとの見方は48%と約半数となった。原油安の影響のほか、「人口減少」や「消費税増税」、「将来不安を抱える消費者の節約志向」などを挙げる声が目立った。

逆に「すでに脱却した」が11%、「今年中に脱却」が41%と、合わせて52%が年内には脱却するとみている。中東情勢への不安から原油価格の反転を見通す声が多かったほか、人件費上昇などを背景に原油要因を除いた物価が上昇しているとの認識も目立った。

 

中川泉 梶本哲史 編集:石田仁志

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