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コラム

コラム:パウエル議長の公聴会、倫理問題の追及に迫力ない理由

[ワシントン 11日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米連邦準備理事会(FRB)の次期議長の座に、バイデン大統領から再指名されたジェローム・パウエル氏がすんなりと収まりそうだ。

 1月11日、米連邦準備理事会(FRB)の次期議長の座に、バイデン大統領から再指名されたジェローム・パウエル氏(写真)がすんなりと収まりそうだ。米議会で開かれた公聴会で代表撮影(2022年 ロイター)

11日に上院銀行委員会で開かれたパウエル氏再指名の公聴会では、新型コロナウイルスのパンデミック前夜だった2020年初めにクラリダFRB副議長が行った個人的な投資活動について、議員らがパウエル氏に質問をぶつけた。ただ、どの議員も、この問題を大きなテーマとして取り上げようとはしなかった。

クラリダ氏が10日、約2週間の任期を残して副議長を辞任すると発表したため、FRB高官の個人的な投資活動が再び注目を集めた。

FRB高官は金融取引の情報を開示しなければならない。ところが、クラリダ氏はパウエル氏がパンデミックを受けて米経済の全面的支援を打ち出す数日前に行った金融取引について、最近になって財務情報開示記録に反映させる修正作業を行った。

このような微妙な時期に何百万ドルもの金融取引が行わていたことで、公正さという面からFRBの評価が傷つきかねない。既に昨年9月、ダラス地区連銀とボストン地区連銀の総裁が、やはり20年に個人的な株式と不動産関連証券の売買をしていたと明らかにした後、辞任を表明している。

上院銀行委員会のブラウン委員長(民主党)は11日、FRBの信頼回復はパウエル氏の双肩にかかっているとハッパをかけた。議員の個人的な株取引を禁止する法案提出を目指しているオソフ議員(同)は、権力の座にある人々は、内部情報を利用しないようにすることが大事だとくぎを刺した。

一方、パウエル氏は、FRBがより厳しい内部ルールを策定したと説明。昨年10月、FRBは政策担当者が金融取引する場合、事前承認を得る必要があり、市場が緊迫している局面では取引を禁止する方針を示した。

議員らの質問は、恐らく自分たちを縛るルールも今のところ緩いままだと自覚しているためか、FRB高官の倫理問題ではそれほど突っ込まずに、インフレや他の経済的問題に質問の重点が置かれた。

上院銀行委員会の共和党最有力者であるトゥーミー議員は、FRBが最近、債券買い入れの縮小に乗り出したものの、回復を続けている米経済をなお支え続けていると批判した。

クラリダ氏の後任として副議長に指名されているのはブレイナード理事で、こちらはパウエル氏と違って多くの共和党議員が反対している。13日に予定されている指名公聴会を乗り切るのは、大変かもしれない。

他方でパウエル氏は、与野党双方の議員からパンデミックへの対応を称賛されてきた。つまりパウエル氏の2期目の議長就任はもはや「当確」のように見える。

●背景となるニュース

*米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は11日、バイデン大統領から議長に再指名されたことに関する上院銀行委員会の公聴会に出席し、証言を行った。銀行委員会のブラウン委員長(民主党)らは、新型コロナウイルスの感染拡大が始まろうとしていた2020年2月にクラリダFRB副議長が行った個人的な投資活動について、パウエル氏に質問をぶつけた。

*クラリダ氏は10日、副議長の任期を約2週間残して14日付で辞任すると発表した。これに先立ち、米紙ニューヨーク・タイムズは、クラリダ氏が20年2月24日に合計580万ドル近くに相当する株式投資ファンド3本を売却したことを新たに反映させる形で、財務情報開示記録を修正したと伝えた。

クラリダ氏は3日後の20年2月27日、いったん売却した1本を含めた2本の投資ファンドに最大で1000万ドルを投入したという。

*パウエル氏は20年2月28日、米国で新型コロナウイルス感染が増加してきたことに伴い、FRBが経済を支えるためにさまざまな政策手段を行使すると述べた。FRBの倫理問題担当者は、クラリダ氏による財務情報開示記録修正は関連規則に沿っているとの見方を示した。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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