[ロンドン 13日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のプラート専務理事は13日、ユーロ圏の長期金利が今後上昇するとの見通しを示した。ECBの買い入れプログラムの下で購入した債券の残存期間が縮小し、同プログラムの市場への影響度が低下するとしている。
債券買い入れプログラムの終了に伴う長期金利の上昇を歓迎する意向を示したものとみられる。
専務理事はロンドンでの講演で、「ある時点で、こうしたデュレーションの受動的な喪失が、タームプレミアムに一段と上昇圧力をかけるだろう」と指摘。
「こうした緩やかなプロセスは、傾向として、徐々にイールドカーブのスティープ化を促すはずだ。短期ゾーンは、政策金利のフォワードガイダンスにより、しっかりとアンカーされる」と述べた。
専務理事は、ECBが2019年後半に利上げするというアナリスト予想を支持するとも表明。ただ、ECBの政策は今後も引き続き予見可能であり、引き締めは緩やかなペースでしか進めないとも発言した。
専務理事は、利回りは金融政策だけではなく、発行体の財務の健全性にも左右されるとも指摘した。予算案の問題を巡り国債利回りが上昇しているイタリアに言及したとみられる。
専務理事は「市場参加者から見た経済ファンダメンタルズや発行体の信用力といった他の要素も、引き続き債券利回りの水準とスプレッドを決める主要な要素となる」と述べた。
またプラート専務理事は、イタリアの財政問題を巡る緊張が他の高債務国に波及することを阻止するため、ユーロ圏の政策当局者が救済基金「欧州安定メカニズム(ESM)」を活用することを議論していると明らかにした。
専務理事は「(他の)諸国への波及が起こった場合にとり得る予防的な措置について、政治的なレベルで議論している」とした上で、「中央銀行の措置ではなく、ESMに関連したものだ」と説明した。
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