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コラム

コラム:ファンド界で利回り上昇観測後退、ジャクソンホール会議控え

[米フロリダ州オーランド 23日 ロイター] - 年に1度の中央銀行の祭典、「ジャクソンホール会議」が近づいているというのに、ヘッジファンドは米国の金利と国債利回りが上昇するとの見通しについて驚くほど冷淡な態度を続けている。

8月23日、ロイター]年に1度の中央銀行の祭典、「ジャクソンホール会議」が近づいているというのに、ヘッジファンドは米国の金利と国債利回りが上昇するとの見通しについて驚くほど冷淡な態度を続けている。ワシントンで2016年3月撮影(2021年 ロイター/Kevin Lamarque)

米カンザスシティー地区連銀が主催しワイオミング州ジャクソンホールで開かれるこの経済シンポジウムは、コロナ禍のため今年もオンライン形式で行われる。それでも、基調講演を行うパウエル連邦準備理事会(FRB)議長にとって重要な政策変更のシグナルを発する機会であることに変わりはない。

市場では何週間も前からパウエル氏の講演に注目が集まっていた。米景気の回復が続いた場合、FRBが国債買い入れを縮小し、早ければ来年にも利上げを行うという流れについて、議長が大枠だけでも示す可能性があるためだ。

しかしデルタ株の感染が米全土に広がり、サプライチェーン(供給網)の混乱が続いているため、エコノミストの多くは成長見通しを引き下げている。ファンドや投機筋も景気にやや弱気になっている。

米商品先物取引委員会(CFTC)が発表した17日までの週のデータによると、ファンドは10年物国債先物を6週連続で、2年物国債を3週連続で、いずれも買い越している。

10年債の買い越しが大幅に増えたのに加えて、短期債の買い越しがやや減ったため、利回り曲線は全体的にフラット化した。フラット化は長期的な成長見通しへの警告と見なされることが多い。

2年債のポジションは小さいが、注目に値する。下記のチャートが示すように、ファンドはほぼ4年にわたり売り持ちを続け、程度の差こそあるものの、利回り上昇とFRBによる金融引き締めに賭けてきた。

しかしファンドは今月初めには買い越しに転じており、全般的な巻き戻しと売り越し疲れ、あるいは、より根本的な見方の変化が起きていることを示唆している。パウエル議長の講演と8月雇用統計の発表がある今後2週間が鍵となる。

CFTCによると、ファンドは10年債先物の買い越しが14万5216枚と、年初来で3番目、17年以降で4番目の高水準にあり、10年債利回り上昇の可能性は薄れているとの見方が強まっていることが読み取れる。

<利回り曲線のフラット化>

指標となる10年債の直接利回りは、3月の1.75%から1.25%近辺まで低下。JPモルガンとゴールドマン・サックスのストラテジストは最近、年末の予想を下方修正(足元の水準から上昇するとの見方は維持)し、最もハト派的なHSBCは今月初めに1.0%の予想を維持した。

利回りの低下は3月以降、多くのファンドにとって誤算だったようだ。調査会社ユーレカヘッジによると、マクロ戦略ファンドと債券戦略ファンドは7月の運用成績がほぼ横ばい、年初来はそれぞれ4.59%、3.77%の上昇で、幅広い分野をカバーするヘッジファンド指数の年初来上昇率の7.97%に見劣りする。

一方、市場調査会社プレキンのデータによると、ヘッジファンドのリターンは7月にマイナス0.45%と10カ月ぶりにマイナスとなり、6月に記録した0.46%のプラスが帳消しになった。

ファンドが次の一手を決める上で今後の2週間は重要だが、道筋は不透明だ。

パウエル議長が超緩和的な政策からの早急な脱却を表明せず、8月雇用統計が軟調なら、長期の利回りは低下し、利回り曲線のフラット化が進みそうだ。

しかしこの数カ月、FRBの量的緩和縮小見通しが高まっているにもかかわらず国債の価格が上昇(利回りが低下)していたことを考えると、パウエル議長の発言がどちらかと言うとタカ派的で、雇用統計が堅調だったからといって、必ずしも逆の動きが起こるとは限らない。

米景気がピークを付けた兆しが出ているタイミングでパウエル議長が予想外にタカ派的な発言をすれば、FRBの政策ミスを懸念する声が高まり、長期の利回りが低下して利回り曲線はフラット化するだろう。

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