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焦点:来年のソブリン格付け、最注目は南ア・仏とブレグジット

[ロンドン 24日 ロイター] - 来年のソブリン格付け動向で最も注目すべきは南アフリカとフランス、さらに欧州連合(EU)離脱を国民が支持した場合の英国になる──。格付け会社が公表している格付け見直しの日程からは、こうした構図が浮かんでくる。

 12月24日、来年のソブリン格付け動向で最も注目すべきは南アフリカとフランス、さらに欧州連合(EU)離脱を国民が支持した場合の英国になる──。写真は南アフリカ国旗。都内で2013年12年撮影(2015年 ロイター/Ronen Zvulun)

スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)やムーディーズ、フィッチをはじめとする格付け各社は、EUの規則によって欧州と大半のアフリカの国々の格付けについて見直し時期を明らかにすることが義務付けられている。

南アフリカは、ロシアやブラジルに続いて投資適格級から転落するのではないかとの恐れが高まってきた。

S&Pとフィッチは現在、南アフリカの格付けを投資適格最下位の「BBBマイナス」に設定。S&Pは格付け見通しを「ネガティブ」としており、最初の見直しを6月3日に行う。

ところが同国の主力輸出品であるコモディティの需要は低調で、国内では慢性的な電力不足の問題も抱えている。今月には市場の評価が高かった財務相の更迭という悪材料まで加わった。

S&Pは南アフリカの国内総生産(GDP)伸び率が同社の見立て通りに改善しないか、国営企業が現在想定されている以上に政府支援が必要となる場合、格下げに動く可能性があると表明した。

またS&Pは「AA」としているフランスの格付け見通しを1年以上も「ネガティブ」にしたままで、4月22日もしくは10月21日に何らかの決定を下すはずだ。

一方で英国は来年後半にEUを離脱すべきかどうかを問う国民投票を実施する見通し。S&PはもしもEU離脱、いわゆる「ブレグジット」が実現してひどい状況になれば、同国の格付けを2段階下げる場合があるとしている。

欧州格付け会社DBRSのソブリン格付け責任者ファーガス・マコーミック氏は「来年の欧州が直面する最大のリスクは恐らくブレグジットになる」と述べた。

そのほかスペインではいずれの政党も過半数議席を獲得できなかった総選挙結果を受け、連立政権の陣容がはっきりしない形で新年を迎えそうだ。

こうした中でフィッチは、現在「BBBプラス」で見通しは「安定的」としている同国格付けを1月29日に見直す予定で、スペインにとって最初の試練になる。続いてムーディーズの見直し日が2月19日に設定されている。

新政権が発足したがその行く末が不透明なポルトガルについては、DBRSが4月29日と10月21日に見直しを予定している。

現在の格付けは「BBB(low)」で、S&Pなどの「BBBマイナス」に相当する。これが引き下げられるとポルトガル国債の欧州中央銀行(ECB)の受け入れ担保区分が低くなり、銀行の資金調達コストを押し上げることになる。

ソブリン格付け引き上げの方は、ハンガリーやインドネシアが投資適格級を獲得する可能性があり、インドも視野に入ってくる。

ただ、格付け各社は来年は引き上げより引き上げの案件が多くなるだろうとみている。

(Marc Jones記者)

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