[シドニー 20日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が20日に公表した今月の理事会の議事要旨では、中銀が高水準の家計債務に警戒感を示していたことが明らかになった。
中銀は6日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の1.50%に据え置いた。
中銀は2016年8月以来、政策金利を据え置いている。議事要旨で中銀は、こうした緩和策により失業率は5.5%に低下し、インフレ率は中銀目標(2─3%)近辺に近づいたとの見方を示した。
「目標に向けた一段の進展が今後見込めるが、それは緩やかなプロセスになる可能性が高い」と説明した。
とりわけ、堅調な雇用の伸びが依然賃金の「明確に上向く」状況につながっていない点を指摘した。
さらに、低金利を背景に不動産市場で投機的な動きが広がる中、家計債務が拡大していることへの懸念を示し、「家計の財務状況を引き続き注意深く監視する必要がある」と説明した。
一方で、各国経済が同時に上向いていることから、2018年の成長率は、潜在成長率を上回るとの見通しを示した。
ただ、今後2年間の成長率は平均で「3%をやや上回る水準」になるとのこれまでの見通しは削除された。
今月発表された2017年第4・四半期の実質国内総生産(GDP)は前年比2.4%増と、第3・四半期の2.9%増から伸びが鈍化した。
成長率の伸び鈍化は、中銀が利上げを急がない理由のひとつとみられている。
ロウ総裁は最近、近い将来に金融政策の調整が必要になるという説得力のある論拠を中銀理事会は見いだせない、と述べている。