[ウェリントン 28日 ロイター] - ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は28日、政策金利を過去最低の1.75%に据え置いた。中銀は、経済成長の鈍化や貿易摩擦など、見通しを巡るリスクを警告し、政策金利を当面据え置くことを示唆した。
金利据え置きは11回連続で、市場の予想通りだった。
中銀は声明で「最近の国内総生産(GDP)が比較的弱かったことは、経済の余剰生産能力が想定をわずかに上回っていることを示唆している」と指摘した。
中銀は、最近の一部主要国における貿易摩擦により、底堅い世界需要が国内経済を下支えする可能性は若干低下したとの見方を示した。
さらに「新興国市場経済の不安定は続いている」と指摘。米国の利上げによる市場の変動に対する中銀の懸念が浮き彫りになった。
発表を受け、ニュージーランド(NZ)ドルNZD=D4は一時0.6783米ドルに下落したが、その後0.68米ドル付近まで戻している。
第1・四半期のGDPは、季節調整済みで前期比0.5%増となり、2017年第4・四半期の0.6%から伸びがやや鈍化した。
27日に発表された6月の企業信頼感指数は、7カ月ぶりの低水準となった。
ASB銀行のチーフ・エコノミスト、ニック・タフリー氏は、中銀は若干ハト派スタンスに傾いたと指摘し、企業信頼感に改善がみられなかったり、世界的な貿易摩擦による影響が拡大した場合、利下げも排除できないとの見方を示した。
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